今年も 家の裏の通路に ネジバナが咲きました
くるくる らせん状に花が咲く この小さな蘭の花をみると
グリム童話の 「いばら姫」の こんな場面を思い出します
魔女の呪いで 錘(つむ)に指を刺され 王女と城の中のすべてのものは眠りに落ちました
城はイバラに何重も覆われ 誰も近寄ることが出来なくなりました
100年が過ぎた日 一人の王子がイバラの垣を乗り越え 城に入って行きました
馬小屋では馬が 庭では猟犬が眠っていました
屋根の上では 鳩が小さな頭を羽の下に突っ込んだまま 眠っていました
台所に行くと ハエが壁にとまったまま 眠っていました
コック長は へまをした小僧を小突こうとして 眠っていました
下働きの女は ニワトリの羽をむしりかけて 眠っていました
城の奥に入って行くと 大広間では 王さまとお妃さまや 宮廷につかえる人たちが眠っていました
王子は さらに奥に入って行きました
城の中は 時が止まったまま 静まりかえり 自分の息さえ聞こえるようでした
塔のところまで来ると 王子はらせん階段を上へと登って行きました
登りつめたところに 小さな扉がありました
扉を開けると・・・
こんなお話でしたね
らせん階段は 日常から非日常へとワープする 魔法の扉?