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写楽・・話楽・・・な日々

母子草

2019-10-03 22:12:37 | 小さなおはなし

もう一つ仕事を片づけてからと思ったのが 間違いでした  

閉店間際の銀行に寄り 書類を出すだけと思ったのですが もう30分も待たされています  

一人々々に時間がかかる用件なのか 行員が少な過ぎるのか 分かりませんが   

順番は なかなか進みません  

とうとう しびれを切らし 

「 何か問題があったら電話を下さい もう一度 来ますので 」と言い 受け取ってもらいました  


そのまま電車に飛び乗り これから東京を横断しなければなりません  

今は 幼稚園が終わった後も 預かり保育という形で夕方まで子どもをみてもらえます  

これがあるから 働くお母さんたちは 何とかやっていけるのですが  

その日は マメ母(娘)が出張で 私も仕事 

朝8時にマメ子(孫)を幼稚園に預け 夕方 迎えに行かなければなりません  

スマホで乗り換えの時間を 必死に調べ   

問題は最後の部分の 駅から幼稚園までのバスの本数が少ないと気がつきました 

バス停で 予定より30分は遅れると確定し 幼稚園に電話を入れました  

保育時間の内のことではあるし これ以上焦っても仕方ありません  

それでも 幼稚園に着き 足早に保育室に向かうと 

部屋の前に 一組の親子がいました  

ぺしゃと座り込んだ小さな女の子と 静かな彫像のように 傍らに佇むお母さん 

軽く会釈をし 部屋を覗き込むと 子どもたちが 

「 マメちゃんのおばあちゃんだと 叫びます   

荷物をもって出てきたマメ子「遅くなってごめんね」と言いながら 玄関に向かいました  


部屋の前にいた親子を思い出したのは 

駐車場にとめていた車に マメ子を乗せ 走り出してからでした  

「 マメちゃん お部屋の前にいた子は どうして座り込んでいたの? 」 

「 力がなくなったんじゃない? Fちゃんは赤ちゃんだから・・ 」 

お姉さんぶったマメ子の物言いに 思わず口が綻びたけど   

記憶の糸が やっと この親子に結びつきました  

この春 入園したFちゃんは マメ子より一つ下  

偶々  靴箱で帰りが一緒になった時 

この小さな天使のようなFちゃんが お母さんの靴を揃えて 

「 お母さん お仕事お疲れさま! ハイ どうぞ! 」

と 言った時の愛らしさ・・・ 

そして その時 感動のあまり ウルウルしたお母さんの顔・・ 

確かに くっきりと記憶に残っています 

それから半年が経ち Fちゃんも 天使から人間に降下したのかしら? 

マメ子が そうだったように・・ 

でも 動かない子が 自分で立ち上がるまで 忍耐強く傍で待つお母さん 

そうであるなら すごい事です 

そして 「今は赤ちゃん」であるFちゃんが どんな風に成長するのか楽しみです 


みんな同じような過程をたどって成長していくのですね  

後ろを振り返る暇はないけれど Fちゃんが1年前のマメ子の姿と重なります 

マメ子も その時から 随分 成長したのだと 改めて思いました 


*** 画像は 以前撮った ヤマハハコ ***

コメント (4)
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