高村光太郎の最後の作品となった「乙女の像」は 智恵子だったのだ
そう納得して あらためて見ると 実に素晴らしい像だ
力強く どっしりと地に根を張った 二人の女性が向き合っている
この場合 男か女かというのは 意味がないのだと思う
片方が 智恵子ならば もう一人は 光太郎なのだろう
二人で ひとつの形なのだ
十和田湖は 一年の半分以上が 雪に埋もれた土地だ
観光客が来て 湖の水面が美しく輝く日は どれ程あるだろう
あとは 厳しく 寂しい日々
まるで 二人の人生のようだ
彫刻家を父にもった光太郎は 誰もが恵まれた環境と羨む中で
自身の道を確立するまで どれほど苦闘したことだろうか
その中で 彫刻家 画家 その上 詩人としても大成したことは幸せなことだ
けれど その豊かな才能が 妻 智恵子の生きる道を閉ざしてしまった
智恵子は画家を目指していたが よき妻として 光太郎をサポートする立場に徹した
後年 智恵子は統合失調症になり 52歳で亡くなる
脚光を浴びるのは 僅かの間
その奥には 深い苦しみがある
戦災により アトリエや多くの作品を焼失して
花巻の地に移り住んだ 7年間
光太郎は どんな事を考えていたのだろう
粗末な小屋に住み 畑を耕し 自炊し 村人たちと付き合いながら
意外と 心静かな 安らぎを得ていたのかもしれない
最後に依頼された仕事 十和田湖畔のモニュメントに
彼の想いは すべて込められ
今も これからも
大自然の中に 像は立ち続けている
お邪魔できませんでした
無事に楽しいご旅行も楽しまれたようですね・・
白神山が世界遺産に登録されたころに
東北を旅してあちこち見てきました~
ここも思い出に残る所でした
心惹かれる地です。
帰ってから、また行きたくなりました。