のんスケの‥行き当たりバッタリ!

ぐうたら人生を送ってきた私が、この歳になって感じる、喜び、幸せ、感動、時に怒りなどを、自由に書いていきたいと思います。

展覧会のハシゴ(2)~≪京都編≫

2012-10-23 19:30:15 | 日記

 大阪で「展覧会のハシゴ」をした日の翌日(19日)には、今度は京都で“同じハシゴ”をするハメになった。

 いくら芸術の秋だからと言って、2日連続の「展覧会のハシゴ」は、私自身ちょっとイタダケナイものがあったが、その後の予定から考えて、どうしても

翌日の19日に行くしかなかったのだ。

 

 その日の展覧会は、京都市美術館での≪大エルミタージュ美術館展≫と、京都国立近代美術館での≪高橋由一展≫。

              

 

 

 2つの美術館ともに、京都岡崎公園内にある。

 公園手前には疎水が流れ、疎水の向こうに東山が連なっていて、私はここに来ると、いつも心が落ち着く。

 そして美術館エリアに入ると、平安神宮の朱の大鳥居が、デンと立って存在感を示している。

     

 

 

 まずは、「鮭」の絵で有名な≪高橋由一≫の展覧会から観ることにした。

                   

             ガラスが光って中がよく見えないけれど、これに代わる写真がないので‥(涙) 

 

 高橋由一は、中学校の美術の教科書にも、その代表作「鮭」と共に、近代洋画の先駆者として、紹介されていたと思う。

 だから、知らない人ではなかったが、私は今度の展覧会まで、正直余り関心を持っていなかった。

 でも、今回の展覧会で、彼が人生の半分を“江戸の世”の武士として暮らされたこと、そんな境遇の中で、洋画の開拓者としての作品群を生み出して

いかれたことを知り、強い尊敬の念を感じずにはおれなかった。

 今まで彼の絵から感じる(それでもってあまり好きになれなかった)“暗さ”や“リアリズム”も、そのような事情を知れば、却って“愛しく”感じられた。

 私は、実直そうな彼の(ちょんまげ姿の)「自画像」と、あと2枚絵葉書を買って、彼への新たな尊敬の気持ちを、心に留めておくことにした。

                 

 

 

 次は、≪大エルミタージュ美術館展≫

              

 

 何を隠そう!

 私は30数年前の初めての海外旅行で、エルミタージュ美術館に行っているのだ!

               

 

 だから、上の写真のエルミタージュ美術館の建物は、私にとってなんとも懐かしい建物だ。

 でも残念なことに、その頃、美術に対してほとんど知識も関心も持っていなかった私は、建物の外観はよく覚えているけれど、内部の展示物について

は、全くと言っていいほど、覚えていない。

 だから、エルミタージュ美術館の絵の鑑賞は、今回が初めてと言っても過言ではないのだ。

 

 膨大なエルミタージュ美術館の収蔵品。

 その中から今回は、15世紀から20世紀までの、名の知れた画家の素晴らしい作品が、たくさ~ん来ていた。

 私はふだん宗教画にはほとんど興味がない。

 キリスト教徒ではない私には、宗教画の世界は理解しがたく、はたまた見ていると、心が重たくなってくるのだ。

 けれど今回来ていた宗教画は、どれも明るく美しく、私はそれらを観て、なんだか不思議な幸福感に満たされたような気がした。

 近代~現代の作品も、名立たる画家のステキな作品が勢ぞろいしていて、本当に楽しい展覧会だった。

 観ていて、私はウキウキしてきた。

 観終わったあと、私は絵葉書を10枚も買っていた。

             

                 

 

 

 ふつう展覧会を2つも観ると、(その展覧会がたとえ素晴らしくても)大抵かなり疲れるものだ。

 でも、この日は、全く疲れなかった。

 むしろ、心はウキウキ・ルンルンって感じ!

 

 外に出ると、疎水の風景が、コローの絵のようだった。

 初めて意識して見た「京都図書館」のレトロな建物も、なかなかステキ!

              

 

                    

 

 平安神宮まで足を伸ばしてみた。(中にまで入る元気は、さすがに無かったけれど‥)

                

 

 平安神宮に行く途中で、芳しい香りが私の鼻を突いた。

 ム、ム、この香りは…!?

 近くの木を見てみると、そこにはやはり、“金木犀”のまだ開き始めたばかりの、可愛らしい花(蕾)があった。

                

 

 京都は確かに、大阪よりはだいぶ北…。

 でも大阪ではるか以前に散ってしまった(と、この時は思っていたのだ…)金木犀が、京都では今頃咲き始めるの!?

 私は不思議に思いつつも、大阪でかげなかった香りを、思いっきりかいで、その場をあとにした。

 

 心身ともに元気溌溂の私は、帰りは白川沿いの路を歩いて、四条河原町まで行くことにした。

 白川沿いの路は、私の好きな路の一つ。

 川端の風情を楽しみつつ、ブラブラと歩いていった。

             

 

 

          

 

 30分以上歩いて、やっと、四条大橋に着く。

                            《四条大橋からの、鴨川の眺め》

                  

 

 私はこの日も、夕食は外で食べることにした。

 四条河原町と言えば、“志る幸”の「利休弁当」だ!

 と、心に決めて歩いていると、もう夕闇が迫ってきて、“先斗町”にはネオンが灯り始めていた。

                  

 

 志る幸の利休弁当は、その日も美味しかった。

 展覧会は大満足だったし、帰りのそぞろ歩きも楽しかった!

 最後の食事も、“口福”だ!

 私は、なんとも、し・あ・わ・せ!!

 

 それにしても私って、なんとも安上がりな女やなあ!

 ちょっとの事で、すぐに“しあわせ”になれるんだもの‥。

 でも、いつも自分を不幸だと思っているよりは、エエかもな!

 

 そんな他愛もないことを思いつつ電車に乗った私だったが、電車に乗った途端に、今までの疲れがドッと出た。

 私は、久しぶりに居眠りしながら電車に揺られて、大阪に帰ってきた。