待望の≪ヨーヨー・マ チェロ・リサイタル≫が、9日(金)夜7時から、シンフォニーホールで行われた。
ヨーヨー・マは、世界最高のチェリストであると同時に、チェロ奏者の枠を超えて活動されている、世界的なアーティストだ。
彼の「シルクロード・アンサンブル」の活動などをテレビで見た時から、私は彼に、深い尊敬の念を抱いてきた。
だから、機会があればぜひ彼のコンサートに行って、彼のチェロの音色を聴いてみたいと思っていた。
そしてその機会が、一昨日やってきたのだ。
今回のリサイタルのプログラムは、次のようなものだった。。 (と書いたが、ピンボケで見えにくくなってしまった。)
演奏が始まる前、私は期待の大きさから、ちょっと緊張気味だった。
でも彼は、最初の曲(「イタリア組曲」)を、何の力みもなく、本当にさりげなく、弾き始められた。
チェロを優しく抱きかかえ、弦を滑らかに動かして、美しい音を紡ぎ出していかれる。
チェロと彼とが一体となって、ある時は、まるで彼の身体から音が流れ出てくるように、思えるほどだった。
難しい技術を要する部分も、彼は事もなげに、楽々と弾いていかれる。
メシアンの曲では、彼のチェロから紡ぎ出される音は、まるで天上から降りてきた音のように、清らかだった。
そして、この日のアンコール曲は‥‥
① 愛の挨拶 (エルガー)
② クリスタル (ジスモンチ)
③ 白鳥 (サン=サーンス)
2番目の曲は知らない曲だったが、テンポの速い、いろんな技術を駆使した、変化に富んだ曲だった。
(この曲の演奏も、本当に見事だった!キャサリン・ストットさんのピアノもスバらしかった!)
そして、その曲を間に挟んで、1番目と3番目は、お馴染みの、静かで美しい曲。
この3曲の選曲と配列の仕方は、まさに当を得たもので、聴衆の心をとらえるのに十分だった。
そしてシメ(〆)は、私(だけではないだろう!)の、大、大、大好きな、サン=サーンスの「白鳥」。
私だけでなく聴衆全員が、間違いなく、「白鳥」に酔いしれていた。
今回のコンサートも、私に大きな満足を与えてくれた。
また一つ、「幸せの貯金」が、できたかな‥。