2010年と言えば、710年に平城京ができてから1300年目。そうです!「平城京遷都1300年祭」です。行ってきましたよ。2008年5月に仕事で平城宮を訪れて、ろくに見ることも写真を撮ることもできずに帰って来た無念。しかし、「2年後必ず平城宮訪問をリベンジするぞ!」と誓ったのです。家族連れでしたが、じっくり訪問したので、何編かに分けて「平城宮の魅力」をお送りしたいと思います。トップの写真は「朱雀門」です。
「特別史跡平城京跡朱雀大路」という大きな看板が見えました。ここが平城宮の入口です。今回の1300年祭の駐車場もここから入ります。(フェア期間以外はここに駐車できます)
これが平城京のメインストリートであり平城宮に続く朱雀大路です。まず「平城京」と「平城宮」の違いはご存知ですか。平城京というのは「町全体」を指します。平城宮というのは、「町にあった天皇の御所」を指します。平城京の史跡は大きすぎるのでほとんど残っていませんが、今回訪問した「平城宮」の史跡はだいぶ整備されてきました。
ちょっとここで、世界遺産「平城宮跡」の話をします。めんどくさい方は飛ばしてもOKです。平城宮跡を観光するというと、ちょっと前までは「何にもないから止めておきなさい」と言われたものでした。平城宮の表門である「朱雀門」の復元は1997年完成。東にある奈良時代の庭園「東院庭園」の復元は1998年に完成。天皇の公的施設だった第一次「大極殿」の復元は2009年完成と平城宮の整備は最近のことなんです。やっと観光に耐えうる名所になってきたと言えます。そんな最近注目された「平城宮跡」がなぜ世界遺産かというと、復元された建物に価値があるわけではなく、埋蔵文化財(地下に眠る木簡や遺構など)に価値があって世界遺産に指定されたわけです。つまり、「平城宮跡は、とっても価値ある歴史遺産にも関わらず、一般受けする観光スポットではなかった場所」という事ができるでしょう。それが、数々の復元施設を建てたことにより、一般にも注目される観光スポットとなったわけです。
では、続きを見ていきましょう。
今までそれほど一般の方には注目されなかった「平城宮跡」。しかし、1300年祭ということもあり、かなり大規模な駐車場が用意されていました。駐車場スタッフも大人数、バスも何台も到着。私が訪問したのは平日にも関わらず、かなりの人が訪れていました。史跡が人気がでるというのは嬉しいことですね。
さて、9:00から平城宮朱雀門で衛士隊による開門式が再現されて行われました。
奈良時代の兵士の服装が忠実に再現されています。こういうイベントも1300年祭だからこそのものですね。11月まではやっているみたいですので、お近くの方はぜひ平城宮跡へお出かけを。
続いて「平城京歴史館」へ行きます。写真は開館時間前なので誰も並んでいませんが、開館時間になるとかなり混みました。なので、この歴史館は入場整理券が配られています(入館にはさらに入館料もかかります)。それでも館内は結構混雑していました。平城京の完全CG再現した「平城京VRシアター」が目玉。これDVDでほしいなってくらい平城京が目の前に再現されていました。壮大な音楽も○。あと、写真左にも見える復元した遣唐使船への乗船など、なかなか興味深い内容でした。
こちらの施設は恒久的な施設ではないようですが、おそらく遣唐使船などは相応の金額がかかっていることから、どこか「平城宮跡公園内」に移設展示されると思います。
これは一部復元された「兵部省跡」です。兵士・兵器・軍事施設の管理を担当していた役所です。建物全体の復元は費用が掛かるので、費用を抑えるためにも部分復元したようです。柱と壁の低部だけでもだいたい建物の規模がわかりますね。
これは兵部省のすぐ東にある壬生門の基壇です。平城宮には何個か門があってその一つです。全部の門を復元するには費用が膨大ですから、門の基壇だけを復元したようです。
壬生門をさらに東側に進むとこのような、先ほどの兵部省のような部分復元施設があります。これは「式部省跡」です。式部省とは、役人の人事や勤務評定を担当した役所です。この役所も規模がわかるように部分復元してあります。式部省の部分復元の奥に電車の架線が見えます。これが平城宮跡内を走る「近鉄奈良線」です。平城宮を公園とするには、どうしてもこの路線が邪魔になります。将来は撤去が望ましいという議論もあるようですが、かなり運行本数が多く現実問題としては色々異論があるようです。
さて、踏切を渡って今度は奈良時代の庭園が復元されている「東院庭園」に行きましょう。この続きは其の2で。