畠山義綱のきままな能登ブログ

畠山義綱が見てきた史跡を紹介します。
時々、経済や政治などもつぶやきます。

福島旅行~其の3~

2011-09-17 04:44:00 | 旅行・観光
 2011年9月10日(土)~9月11日(日)に歴史友達の武藤舜秀様と、福島に旅行に行ってきました。東日本大震災からの復興途上にあり、原発問題を抱える福島県。その復興支援の一助になればとも思いました。其の3の今回は、福島県立博物館と会津藩校「日新館」です。



 鶴ヶ城(会津若松城)の三の丸駐車場の向かいにあるのが福島県立博物館です。徒歩1分で着きますので、城と博物館を見学するなら間違いなく三の丸駐車場へに車を泊めるのがいいです。
 福島県立博物館がなぜ県庁ではない会津に?と思っていたら、福島県は広いので、公的な機関を分散化していると言います。会津若松市に県立博物館。福島市に県立図書館。白河市には埋蔵文化センター機能があるそうです。石川県のような金沢一極集中と違いますね。東京都も23区一極集中で、多摩地区は石原都政になってどんどん切り捨てられています。ムカつく…おっと話がそれました(笑)



 この模型は阿津賀志山合戦のようです。この合戦は、藤原清衡が頼朝方を迎え撃つために築いた基地だそうです。そうか、鎌倉時代初めまで福島以北は大和朝廷の支配下ではなかったんですね。



 この館の模型は、伊達市にある梁川城です。明日訪問する予定の城で、城主は伊達稙宗でした。それにしてもこんな大きな庭を伊達時代に築いていたんでしょうか?16世紀になると庭もブームが枯山水になってきますが、これはしっかりと池があります。どうなんでしょ?もっと後世の庭?その考察はまた今度。



 県立博物館なので、中世だけではなく、古代から現代までの展示があります。中世もなかなか充実している展示でした。これは葦名盛氏の文書です。盛氏の坐像(複製)もありました。博物館が会津にあるんだから企画展で葦名氏などを取り上げてくれるといいなと思っていましたが、過去に葦名関連の企画展はなかったみたいうです。無念。

 ちなみに、葦名って「葦名」「蘆名」「芦名」という3種類の書き方があります。私は今まで文字バランスから「蘆名」を使っていたんですが、廟所の文字で「葦名」とあったんで、私は今後「葦名」を使っていきたいと思います。


では次に進みましょう。会津若松市内からはちょっと離れたところにある、会津藩校「日新館」です。

ここは2003年にも一度来たことがあります。懐かしく見て回りました。その時はデジカメを持っていなかったので、今回はたくさん写真をとってきました。



 この日新館は5代藩主松平容頌(まつだいらかたのぶ)の時代の1805年に完成しました。この建物は残念ながら当時のものではなく、1985(昭和60)年に復元されたものらしいです。それでも当時の雰囲気を感じられる貴重な観光スポットです。



 会津藩校といえば、思い出すのがこの「什の掟」。あらっ?十の掟なのに7個しかないよと思っていたら、藩士の子供たちは、十人前後で集まりをつくっていました。この集まりのことを会津藩では「什 (じゅう)」と呼ぶそうで、そこでの掟だったようです。

「什の掟」
一、年長者(としうえのひと)の言ふことに背いてはなりませぬ
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
一、嘘言(うそ)を言ふことはなりませぬ
一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
一、弱い者をいぢめてはなりませぬ
一、戸外で物を食べてはなりませぬ
一、戸外で婦人(おんな)と言葉を交へてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです

最後の戸外で婦人とという以外は、現代でも十分通用しそうです。この掟に関係する母屋下ものがほしいな…子どもに守らせたいけど…ちょっと現代には厳しすぎるかも。



 門を入ると広い中庭があります。建物は回廊式になっています。



 回廊式の建物にはいろいろな教室がありました。このような人形があり、その人物は白虎隊があてられています。勉強している内容は、国語や数学といったものだけでなく、医学や天文学などもあり、かなりの進んだ学校だったことをうかがわせます。「国家の計は教育にあり」というところでしょうか。



 回廊の外にはこのような庭園もありました。夏なのでちょっと雑草が多いのが気になりますが、江戸時代にはもっと生徒を使っていい状態で管理していたことでしょう。



 回廊の真ん中には、このような中国式の部屋である「大成殿」があります。孔子を祭ってあるみたいです。儒教の教えている藩校だけに、儒教の創始者である孔子を祭っているのは当然かもしれませんね。



 日新館の全体図です。メインの中庭が2つありますが、もう一方は水練場になっています。

 日新館の水練場は日本で初めて作られたプールであると紹介されていました。池の周囲は153mもありかなりの大きさです。全国の数ある藩校の中でも水練場があるのは長州藩の藩校・明倫館と日新館だけだそうです。



 絵付け体験コーナーもありました。

 会津のお土産物で有名な首ふり赤べこの人形の絵付けです。家族連れにはとってもいいものかもしれません。お母さんと子どもで赤べこ絵付け体験をやっていて、歴史マニアのお父さんはじっくり日新館を見て回る…というプランも使えますね。時間の有効利用です(笑)



 こちらは何だと思いますか?戦国マニアですとこれだけ高いものだと櫓かな?とか考えてしまいますが、ここは平穏な江戸時代の建物です。これは、天文台で天文観測施設があったそうです。ここで暦を作っていたというので、会津藩の気象庁ですね。天文観測施設があったのは、全国の藩校の中でも水戸藩・薩摩藩とこの会津藩日新館だけのようなので、会津藩校は全国でも最新鋭の藩校といえますね。



 出口付近のお土産物屋です。なかなか商売上手なオバサマが店員さんなのではなっからお土産物を買うつもりがなければ素通りしたほうがいいかも(笑)私は「什の掟」の関連グッズがほしかったので、入店。お茶を進めていただいて、試食もさせてもらいました。買うつもりがなかったほかのお土産でしたが、「ラー油きくらげ」が思いのほかおいしくて即購入しちゃいました。

 「什の掟」グッズで買ったのはこちら。手ぬぐいです。さっそく我が家の階段に貼り付けました。震災で手ぬぐいの生産が止まっているとか、まだまだ6ヶ月経っても震災の爪痕は残っていますね。



 さて、そろそろお昼にしましょうか。私の職場に福島県会津地方出身の方がいるので、その方に聞いたおいしい店を紹介します。

「つぼの華」というお店です。喜多方ラーメンの店と聞いていたのですが、会津ラーメンって書いてありました(汗)でもうまいからいいです。お店は磐梯町という会津若松市のとなりにあります。ですが、日新館からはさほど遠くない距離にありました。5kmくらいかな?

 お店の中はそれほど広くないですが、観光名所らしい作りです。あっそうそう営業時間が昼間だけみたいです。確か11時から15時までだったと記憶しています。夜に来たら食べれませんでしたね。

 ラーメン650円とライス200円です。麺は縮れ麺でスープによく絡み付いておいしい!スープは醤油ベースのあっさり。だけど味が薄いわけではなくしっかりとした味でした。私はこってりが好きだけどこのスープはおいしかったです。ライスは予想以上に大盛りでした。半ライス150円にしてもよかったです。〆はライスにスープをかけて食べるとこれまた絶品。サイコーだぁ。


 さて、次は高速に乗って福島市へ行きます。その様子はまた次回。