(↑監督代行就任時に神宮球場に掲げられたファンへのメッセージ)
昨日の横浜戦に快勝し、高田監督時代の借金19を完済。借金19を5割に戻したチームはセリーグでは1966年の阪神以来44年ぶりだそうだ。言葉を変えれば小川監督代行は貯金19。小川監督代行就任以降のヤクルトの成績は41勝22敗1分け、勝率は6割5分。すごい成績だ。
スワローズファンの中では、小川監督代行の来期昇格を熱望する声が強い。私も同感だ。小川監督代行をオリックスの大石元監督になぞらえる人がいる。オリックスのコリンズ監督が2008年5月に成績不振(コリンズ・オリックス21勝28敗)で休養。監督代行の大石氏が引き受けた時4位を2位まで引き上げた(オリックス2008年75勝68敗1分け)。翌年は監督に昇格をしたが成績は不振で最下位となった(オリックス2009年56勝86敗2分)。小川監督代行はぶっちぎりの最下位球団(高田ヤクルト13勝32敗1分)を引き受けた。また44年ぶりという記録もある。来期監督に昇格をしても好成績を残すと私は信じたい。
ヤクルトという球団は実に面白い。強いか弱いかハッキリしている。優勝した時の監督は、広岡(1978)、野村(1992、1993、1995、1997)、若松(2001)である。他の監督時代は弱い時代である。若松は優勝こそ一度しかないものの就任時に2年連続4位と低迷した後、優勝を含めて4年間連続Aクラス時代が続く。
ヤクルトの強い監督を分析するとき古田敦也氏が現役時代に興味深いことをのべている。
「野村監督は、ついて行けば勝てるという監督。若松監督は、勝たせてあげたいという監督。」
ヤクルトという球団が「セリーグのお荷物球団」と呼ばれた昔の時代。選手たちは実力もない、負け犬根性をもっているという状態で、どんな人柄がよい人物が監督でも優勝できなかった。だから広岡という知将が、優勝に導いた。しばらくまた低迷したヤクルトを立て直したのが野村氏。1990年~1998年というヤクルトの監督としては異例の長期政権。この間にしっかりとした選手が育った。池山、古田、伊藤智、飯田、土橋などなど。さらにまた指導者も育っていた。伊勢氏は指導者としての実力を買われ近鉄に、尾花氏も同様にダイエーに指導者として移籍。
本当にヤクルトは強いチームに育ちました。だからこそ今のヤクルトは知将でも人柄のよい監督でもよい成績が残せるわけです。
高田監督が成績低迷で休養するとき「勝てるか負けるか紙一重だと思う」と言ったのは確かな分析。だからこそ、そんなに戦力的補強が無くても小川監督代行は勝てるのだ。選手に慕われるよき人柄の監督として。
はからずしも高田監督の読みはあたったことになれ。高田監督は残念ながら知将でも選手に慕われる監督でもなかった。ただ、選手の能力把握や戦力分析に長けていた。だからこそ高田氏は日ハムGM時代大成功した。
高田氏の分析通りヤクルトは強いチームになった。小川監督代行が来期昇格をすれば再び強くなる。では荒木監督なら?知将?人柄?残念ながらまだ未知数だ。来期小川監督を熱望する!