「コーポラティズム(Corporatism)」、あまりなじみのない言葉ですね。
少しの間たな晒し状態で、何冊かの本を読み終え、再び手に取ってほぼ読み終えようとしている堤未果著「政府は必ず嘘をつく」に繰り返し繰り返し登場する言葉で、この本のキーワードともいえるかもしれません。
他の意味もありますが、この本で使っている意味を一言でいうと、大企業による社会の支配、ということかな?
俗に言われる1%による99%の支配。一番の主役はグローバル企業。
ニューヨークのウォール街のデモに象徴されるように、アメリカは行きつくところまで行っている感がありますが、それをわかりやすく書いているのが、同じく堤未果の「貧困大国アメリカ」や「沈みゆく大国アメリカ」など。
グローバル企業には、人の幸福や命は守るべきものではなく、株主利益が第一。社会正義など存在しない(表向きは知りませんが)のだろうと思います。
企業利益のために社会システムが劣化し、医療保険はあってもほぼ機能しない医療は象徴かもしれませんが、“働く”ことも企業利益の対象となり、ニューヨークのデモに発展している。
そして、“働く”の最後のターゲットは公務員だと言われています。
日本、そう安全地帯ではないのでは?その象徴は、民主党政権だったように思います。
じゃあ、自民党なら大丈夫?そうじゃないから、国民の多くが“政権交代”に浮かれてしまった。
僕たちは、「クスリの講演会」とかに取り組んでいますが、ここでも、コーポラティズムの神髄のようなものを見せられているように思います。製薬企業の利益率はとても高いと言われていますが、その資金力に物を言わせて、薬のCMだったり、病気を作り出すキャンペーンだったりが繰り返し繰り返し目と耳に入ってきます。
「うつは心の風邪」もその一つ。このキャンペーンが奏功して、SSRIなどの抗うつ薬が8倍ともいわれる売上高になっているとか。いやあ、うはうはかもですね。
学術界も、その効果効能を喧伝していますが、結果、治るはずだったうつ病は一生付き合ううつ病へと変わってしまい、自死対策も精神科の早期受診になっているようです。悲しいですね。
我が国の様々なところも、ことほど左様に、という状況があるんじゃないか?
心を研ぎ澄まして、足元を見ることをしなくちゃ、っていう時代かもしれませんね。