これは、我が家の畑から、引いて来た個性的な大根たちです。
野球のミットではありません。
みんな巨大です。
食べる気がしません。
けへへけへへ。どうしよう。
糠漬けの胡瓜と茄子を、どうしよう。
昨日の夜に漬け込んだ。朝、半分は、取り出してみた。食べたら、グーだった。
あと、糠床の中にまだ半分残っている。
朝ご飯も夕ご飯もじゃ、飽いてしまいそう。
困った困った。
新しく干し大根を漬けてみたい。平べったく薄く切った干し大根を、糠漬けにしてみたいのだ。
そうするためには、いま糠床にあるものは、出してしまわないといけない。
もう、夕暮れ。日が落ちてきた。
外は風が吹いていた。風に当たると寒かった。
北の畑へ､一輪車を押して､行った。
大根を、一輪車に積めるだけで積んで、よろよろしながら戻って来た。
それを、葉っぱは切り落として、外の洗い場で、丁寧に水洗いした。
大根もみな個性的。足を４本延ばしているのもある。
こんなにたくさん引いて来て、で、どうしよう？
こんなにたくさん食べられたもんじゃない。
貰ってくれる人がいたら、どうぞどうぞで差し上げるんだがなあ。
ふふふふ。ふふふ。
一人悦に入っている。
晴れ上がった大空を見て、いい気になっている。にたりにたりしている。
きょ。単純な男だ。人が見たら薄気味悪いだろうな。
☆
いまのところ、何にも要らないな､この男には。
しばし、満足の体（てい）になっている。
こうしてお日様は、人間を瞬時に快活にしてくれる。
有り難い。有り難い。ああ、偉大なるお日様お日様。
光を浴びていたら、もうあれこれ、不満不平を取り上げて、文句を言う気にはならない。
☆
さ、行動。行動を起こそう。
まずは、炬燵を出よう。着替えをしよう。
昨夜、糠漬けをしておいた。買って来た糠床に、茄子と胡瓜を漬けておいた。
朝、さっそく、これを１本ずつ取り出して、洗って、俎でとんとんと切って、更に列べて、朝ご飯に食べてもらった。
おいしい。
塩の加減もちょうどいい。
カリカリカリと歯音を立てて食べ終えた。家族の者にも好評であった。
よし、じゃ、続けよう。
今晩、残りを取り出して、あらたに、長芋と大根を漬けてみよう。
大根は、水分が多いので、昨日のうちに薄く切って、干しておいた。水分が幾分か抜けただろう。
こんなことをするのも楽しい。
詳しいことは知らないが、糠漬けの食べ物は健康に貢献してくれるらしい。
乳酸菌が大腸まで届いてくれるらしい。
糠漬けの塩分は、聞いたところでは、健康を害さないらしい。
☆
この男は、なんでも三日坊主。長くは続かない。どうせすぐに沙汰止みになるだろう。
雨は上がった。太陽が顔を出した。快晴の春の空となった。
うん、こうしちゃいられない。外へ出よう。
なんだ、まもなくお昼じゃないか。
家族の者は出掛けて行った。一人残っている。
厳木の見帰りの滝に行く道沿いに、河津桜が満開になっているというテレビ報道があっていた。
二月にして桜か。いいな、それも。
