いよいよ夕食の時間です。
大部屋の片隅に料理が並ばれていました。
あまりにも広すぎたお部屋にわが家の4人だけなので、何だか違和感がしました。
休日ならば他の宿泊者も一緒になっていたかも知れない。
今日は週始まりの月曜日なので、誰もいないのは当然か・・・。
「兜屋旅館」の自慢料理は山菜料理。
添加物を一切に使わず、檜原で取れた様々な種類の山菜が盛ってありました。
医食同源ならぬ薬食同源のようだ。
味付けも一般家庭では真似できないほどの工夫がなされている。
私は細かく評する立場にあるものではないけど、まず、手前の「ヤマメ」。
「たから荘」では、食事の進み具合を見計らい、スタンバイしておいた「ヤマメ」のお皿に焼きたてのが運ばれてくるが、ここは最初から付いており、ちょっと冷めている。
焼きたてを運ぶぐらいの気配りが欲しいものだ。
旅館業にとっては、お客さんを喜ばせる仕事・もてなし・サービスが大切なんだよね。
ドックおじさん(父)は「ん?ほとんど山菜じゃないか」と不満言いたげな表情。
韓国ドラマ「チャングムの誓い」にも出ていたが、明国(今の中国)からの使者にチャングムが素質な山菜料理ばかり出し、接待官が「作り直せ!」と激怒したという場面。
明国の使者は糖尿病を患っており、料理人として脂気の多い料理を作ることはできないという気遣いだった。
これと同じように受け止め、美味しく戴きました(というか、もう少しの2、3品の田舎料理があればいいのでは)(笑)
色々な料理を少量ずつ味わうと、思っていたよりも満腹感が得られるので不思議なもの。
このあたりでは携帯電話の鉄塔すら見かけないのに、ドコモ携帯のアンテナが3本。
山の景観に合わせ、基地局も周辺の色にカモフラージュしているかも知れないが、さすがに小笠原でも使えるドコモなんですねぇ~。
明日の天気をチェックしてみたところ、残念ながらまた雨が降りそうとのこと・・・。
テレビもないので、今日はいつもよりは早めに就寝。
畳の下に暖房が効いているので、すごく暖かくて気持ちよかった。
と、と、ところがかゆくなってきた。
それは・・・・なんと、蚊!もうすぐ12月だというのに、蚊はまだ生きていたのか、古い民家なので暖かさを求めに隙間から突破して来たらしい。
クリスマスのイルミネーションが輝いているシーズンだが、夕方4時半頃になると真っ暗闇。
民家の明かりだけがぼつぼつと点在する風景が続くだけだった。
5時頃、「兜屋旅館」に到着。
「あちらの部屋でございます」と案内されたところは、新館の2階。
「うわっ、思っていたよりも素敵なお部屋!」と思ったら、囲炉裏付き。
「ん?予約したのは確か、囲炉裏のないお部屋だったよね?」
「国王さまがお泊りになられるなら、ここのお部屋になっているみたい」
ご主人にもう1度予約内容の確認をしてみた。
どうやら、電話で予約をしたときのおばあちゃんが聞き間違えたらしい。
私がホームページを見ながら、「Dコースで2階の窓が付いている部屋がいい」とチャングムを通じて伝えてしまったのが原因だったらしい。
電話のあと、チャングムが「おばあちゃんが出てきて、予約内容の確認もなかったんだけど、大丈夫なのかしら?」と心配していたのが当たってしまった。
予約の間違いに気づいた、ご主人が平謝りに謝っていた。
囲炉裏付きの部屋は山菜料理、囲炉裏で焼く料理または猪鍋などのフルコースで24000円!!(平日)
最高峰のお部屋から一転、ここの部屋に案内されました。 ホームページではよくわからなかったけど、新館と築200年の旧館があり、Dコースは旧館の座敷部屋。
「旧館でお泊りになられるお客様は1組だけですので、3つのお部屋が使えます。気兼ねなくお寛ぎください」とのこと。 えーっ!他にDコースのお客さんがいれば、襖で仕切るらしい。
もちろん、鍵もかからない。
聴者同士のお客さんだとしたら、音声会話が筒抜けになってしまうじゃないですか。
3部屋の入口は扉ではなく、昔ながらの障子戸を引けばすぐに部屋。
30畳近くのお部屋を貸切の状態なんて広すぎる。
Dコースはここなんだけど、Cコースはどんなお部屋?と聞いてみると、Cコースは、同じく旧館の中にありまして、トイレや洗面所がついている個室。AとBコースは、新館の囲炉裏付きだが、料理の内容が異なるとのこと。
わかりやすく言えば、
AとBコースは新館の囲炉裏付きのお部屋。
Aコースは フルコースで部屋食。
Bコースは 山菜料理で部屋食。
Cコースは 旧館の個室。食事は大部屋で山菜料理
Dコースは 旧館の襖で仕切られたお部屋。食事はCコースと同じ。
Dコースだけは障子戸に囲まれた部屋になっていて、残念ながら外の景色が見られませんといった具合にホームページに載せたらいいのに。
テーブルの置いてある部屋は囲炉裏があったらしく、天井では煤で真っ黒になっていました。200年の歳月の重厚さを感じさせるお部屋。
ただ残念なのは照明器具が昭和時代のものになっていた。
200年前といえば、ろうそくか灯油ランプのどちらか。
これを使えば、雰囲気がからりと変わるかも知れない。
畳の下に床暖房が入っているらしく、隙間だらけのお部屋でも寒く感じなかった。
ドックおじさん(父)が「んー、テレビがない、つまんない」と。
昔の雰囲気をそっくりそのまま残そうと電話、時計、テレビ、冷蔵庫などの近代的なものは置かないというのが宿の方針になっているみたい。
テレビを見たければ、囲炉裏付きの談話室。
しかし、誰も居ないカランとした広い囲炉裏部屋でテレビとはやはり違和感がします。
部屋の中で飾られていた、旅館になる前の屋敷。
(昭和40年代?)
現在では茅葺き屋敷の隣に新館が建てられている。
私たちが泊まっている部屋はこの屋敷。
新館の地階に温泉。
更衣所に温泉成分を示す保健所の証明書が掛けられるはずだが、そこにはなかった。
もしかしたら、多摩源流の清水を沸かしただけ?と聞いてみた。
「ちゃんとした温泉です。本来なら証明書を掛けなければならないのですが、忘れちゃいました」
疑われないようにちゃんと表示して下され~!