著者は中学生のときから郵便局の「風景印」のコレクションを始め、30年余をかけて、日本の郵便局を1万1000局あまり、自分の足で“巡礼”。
11000局すべてではなく、離島の郵便局、珍しい名前の郵便局、明治時代から使われている郵便局舎、なかなかたどり着けない郵便局などピックアップしています。
とても面白そうなので、借りてみました。
案の定、御蔵島、青ヶ島、宮内庁内郵便局がありましたよ。 著者はNHK前橋制作グループ副部長(2007年現在)と自己紹介に載っているので、お仕事の合間に日帰りで御蔵島・青ヶ島へ行かれたときの様子を細かく書かれていました。
数時間の滞在なのに、島の事情も詳しく書かれているのに驚きです。 こちらは私が実際に巡礼したときの御蔵島の風景印。
同じ局舎の中に「御蔵島郵便局」と「新東京支店御蔵島集配所」が同居しており、ポストに入れると「新東京」の消印。
「新東京」は伊豆諸島・小笠原全地域なので、どこの島で押されたのか実証できないので、郵便局窓口のほうが良さそう。 本書に載っていた青ヶ島郵便局の風景印。
これもなんと日帰りでした。
行きは羽田から飛行機、ヘリコプター。
帰りは船、飛行機。
畑仕事をしていたおじいさんが「こんにちは。観光ですか?」と声をかけてくれる。
やはり、予定通り島の民宿に泊まって、のんびりしたほうがよかったかなと思いが頭をかすめるが、ここでひとりで午後から夜、そして明日の昼まで長い時間を過ごすのは、かなり忍耐を要することも明らか・・・・と書かれていました。
私だったら、2,3日のんびりして青ヶ島のスローライフを満喫するつもりだけど、青ヶ島は友達もいればひとりでも、本土では味わえないほどの秘境を充分楽しめそうな気がしますけど・・・(笑) 郵政公社時代の青ヶ島郵便局。
今だったら、「JP」マークと郵便局株式会社のカラー「オレンジ」が目立っているかも知れませんね。 中学のときからずーっと憧れ、初めて上陸したときの風景印。
青ヶ島へは7月中旬を過ぎたあたりだとヘリも船も安定就航しているので、なぜか4回の上陸は7月が多いです。
本書の口絵に載っていた、宮内庁内郵便局。
宮内庁は皇居の真ん中にあり、住所も千代田区千代田1番地。
郵便局のホームページにも「宮内庁内郵便局は一般人の利用ができません」と書かれているとおり、なかなかたどりつけない郵便局。
本書によるとNHKに入局し、ひょんなことから宮内庁の方と取材を通して知り合うことができ、宮内庁の庁舎内に入れてもらえることができたときの窓口での風景印とのこと。
「宮内庁内」の風景印は50円切手の貼られているはがき、または50円のはがきと、返信用封筒を用意し、宮内庁内郵便局に送付すれば押してもらえるのですが、窓口で押してもらえるのは滅多にないそうです。
極端な郵便局は 南極の「昭和基地内」郵便局。
・最新の昭和基地
・昭和基地に郵便局はある? (最新情報)
隊員に郵便局長を任命し、仕事の合間に郵便業務を行っているみたいです。
日本から昭和基地郵便局宛に送ることはできないが、南極の隊員からは国内郵便料金で日本へ送ることはできるそうです。
「郵便局を訪ねて1万局 東へ西へ「郵ちゃん」が行く
著者:佐滝剛弘 出版社:光文社 刊行年:2007年6月
定価:840円 ISBN:978-4-334-03406-1