かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

隠したお金

2008-06-03 | 事例
30代後半のKは独身です。
銀行の借入が返せなくなって居ます。
「私は3行より、2億2000万借りています。残念ながら
 現在1円すら返済する余裕はなくなりました。
 しかし、今の事業は石に齧りついても、守り通します。
 そして必ず借金をお返しいたします。」

今の事業は月商で600万、2億2000万は孫子の代まで返済は無理さ。
腹の中では思っても、面談中の行員にはそんな失礼な事は言えません。
事業を受け継いでから5年。其の間に2億2000万も借りて今は無一文と
言い張るKが信頼できません。

「私ども得意先は2軒だけです。しかし年に
 1回決算書の提出が、取引の前程となって居ます。
 赤字ですと取引は中止されます。」
Kの説明は続きます。
「ですからそれなりきに黒字にします。売上も水増しが必要です。
 其れを5年間続けてきたからです。つまり実質は赤字ですが、
 其の補填だけでなく、消費税も所得税も粉飾分を支払わないと
 なりません。借りたお金は全部それにつぎ込みました。」

払った税金などは直ちに計算できます。赤字補填と云っても
推測は出来ます。どう計算しても8000万のつぎ込みが背一杯です。
その他のお金は何処に消えたのでしょうか。

しかしKは自分の思っている通り動いています。
「必ず返済は致します。暫くは此れでお願いします。」と、
利息の1割にも満たないお金を3行に振込み、事業を続けています。
唯、今まで4人でした従業員は、3人になって居ます。

こんな事が通る筈がありません。
間もなく、Kの債権は保証協会に代位弁済、其れと2軒の
サービサーに譲渡されました。
Kは同じ事を新債権者に言って通すつもりです。

保証協会は「仕事は続けます。必ず債務に対して責任を持ちます。
今のところは月10万の返済でご容赦願います。」と言うKに対して、
1年間は様子を見ようと言うことになりました。

サービサーは違います。
とにかく申し合わせたように直ちに債務名義を取られました。

1行のほうは、仕事もうまく繋がっているみたいであるから、
分割でよいからと相当額の要求です。
そんなお金はないと云っても引き下がりません。
「私ども売掛金など差押しない方針ですが
 場合によってはやらざるを得ませんね。」
脅しだったかそのまま何も行ってきません。

もう1行は直ちに預貯金の差押です。
勿論空振りです。すると直ぐに財産開示の請求です。
どうやら此れが目的だったみたいです。

財産開示の目的は一つ、2億2000万も借りて、
此れを使いきったらしいが、その使途を聞きたいのです。
勿論財産開示ですから、こんな過去のことを答える必要も
無いでしょうが、裁判官までが、多額のお金であり、現在の
資産にも関係あるかも知れないから、被告は明らかにしなさいと、
サービサーに加勢しているようです。

「その時の通帳を提出しなさい。」
と言うことになりましたが、
「現在の財産に無関係だからと、見せる必要は無いでしょう。
 それに本日は、持ってきて居りません。」
と頑張ります。
この言い方が少し裁判官の感情を壊したみたいです。
「現在の財産を正確に知るためにも、通帳を見せなさい。
 若し紛失して居る場合は、銀行に其の動きを出して頂く。」からと
言う発言までになったのです。

結果として彼は8000万の隠し預金が見つけられました。
勿論取られます。此れでも勘定は合わないのですが、
サービサーもそれ以上追求はしませんでした。

それに、もう1行からは売掛金を差押えられました。
人材派遣会社は55日くらい会社が立て替えますから、
派遣社員には被害が無い約2月分の売上を差押られたのです。

サービサーの弁護士には脅されましたが、Kは辛うじて刑事罰を
逃れた見たいです。

Kの遣ろうとしたことは弁解の余地が無く悪いことです。

しかし代表者が30台後半の独身者、しかも決算書の売上は、
月商1000万、そんな会社にたとえ3行であって2億2000万を
貸し付けた大手銀行には反省の余地は無いものでしょうか。





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