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<経産大臣指定伝統的工芸品> 京都 京指物

2021-06-14 08:59:37 | 経済産業大臣指定伝統的工芸品

 「京指物」

 Description / 特徴・産地

 京指物とは?
 京指物(きょうさしもの)は、京都府で作られている木工芸のひとつで、桐製品を代表とする様々な調度指物(ちょうどさしもの)や、茶道指物(さどうさしもの)、挽物(ひきもの)などがあります。
 指物(さしもの)とは、木と木を組み合わせて作られた家具や調度品などの総称で、多数の技法を駆使することにより500種類以上の製品を作ることができると言われています。
 京指物の特徴は、京都らしい上品なデザインです。平安期が起源とされる京指物は、当時の宮廷文化のなかで高い品格が求められたことから、優雅な趣を今に伝えています。加えて、簡素な美しさを追求した茶道文化や江戸時代の町人文化にも育まれたことで、多彩な表情を持っています。
 また、古くから今日まで継承された豊富な技術も特徴のひとつです。優れた職人が渡来や古来の技術を保ちつつも、各時代に沿った技法を開発してきたことにより、その伝統的な技術が作品のなかに息づいています。

 History / 歴史
 京指物(きょうさしもの)の始まりは平安期とされています。豊富な木材資源を持つ日本では、それ以前にも日本特有の木工芸が発達していました。中国や朝鮮から石・金属の文化が渡来したことにより、その器物などを模倣しつつ木を素材とした独自の工芸品が生まれます。
 大工職の手によって平安時代に作られていたのは、宮廷の儀礼用の物差しなどです。室町時代に入ると、武家社会を背景に箪笥(たんす)や棚、机などの調度品が増えたことから専門の指物師が生まれます。
 安土桃山時代には、茶の湯の普及にともなって書院造りや座敷、茶華道具などの一部にも使われるようになり、京指物の需要が高まりました。
 江戸時代からは、武家用・商人用・江戸歌舞伎役者用(梨園指物)など幅広いものが作られるようになり、独自の技術がさらに発展していきます。
 現在に至っては、シャンパンクーラーや和風照明など時代に合ったものも多く作られ、モダンながらも木の温もりが伝わる製品が愛され続けています。

*https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/kyosashimono/ より

 

 多種多様な製品で新たな伝統に挑む京指物
 「指物って木でできた箪笥や箱のことでしょ。」と思っている方は「京指物」の種類の豊富さに驚くこと間違いなし。多様な技術を駆使した京指物は、いわゆる指物の範疇をこえ新たな伝統をつくりだそうとしている。

 
 表情豊かで多様な京指物
 「指物」とは板と板、棒と棒、板と棒を組み、指し合わせる仕事のこと。しかしこれだけでは京指物は語れない。彫物、曲げ物、挽き物、タガ物(おけ、たる)といった幅広い技法を駆使して、箪笥や箱類などの家具調度品から茶道具類、美術工芸品に至る多様な製品を持つのが京指物だ。それぞれの技法は専門の職人が担当し、京都木工芸協同組合によると「京指物と一口に言っても、いろんな製品がありますし、いろんな技術の人がいます。それが、京指物のよさ、おもしろさにもなっていると思います。」専門職人の確かな技術、その組み合わせの妙が、京指物の魅力だ。単に京指物というより「京の木工芸」と言うべき多彩さが愉しい。


 京指物を支える職人の心
 木彫を始めて50余年、伝統工芸士の資格もお持ちのベテラン彫師さんにお話を伺った。大きな調度品から小物まで、多彩な注文をこなすが「わたしら職人やから、こんな風にしてほしいというお客さんの要望を忠実にこなすことが、まず第一です。」注文者の頭の中にあるイメージを形にするため、木の材質、寸法、形ごとに様々な道具と彫り方で対応していく。苦労した仕事ほど仕上がると嬉しいが、それに心を奪われてはいられない。「作って納める、それが自分の仕事」と割り切る。「自分のつくったもんが使ってくれる人に愛でてもらえたら、職人冥利につきます。」


 道具と一体化してこそ一人前
 職人の技術は一朝一石には身につかない。職人を目指す若者のぎこちない道具遣いをみて、改めて自在に道具を使いこなす自分に驚いたこともあるとか。職人にとって使い慣れた道具は自分の手のようなもの。また、そうでなければいい仕事はできない。だから道具の手入れも欠かせない。一日に2度も3度も刃を研ぐこともある。こうした日々の積み重ねでようやく一人前になれる。「どんな仕事がきても、でんと構えて、それを受け、こなすようになるまで、まず10年はかかるでしょうね。経験には年月が必要です。」


 新しいものにも「京都らしい上品さ」を
 ところで今、京の職人達は、脈々と受け継がれてきた工芸文化を守り育てながら、新しい伝統を生み出そうと創作物に取り組んでいる。彫師さんに自作の香合を見せてもらった。すずめ、梅、蛤、様々な意匠の小さな入れ物たち。思わず手にとりたくなるものばかりだ。目指すは「かわいくてしかも品のあるもの」京指物の上品さ、京都らしさを職人たちは大事に守り続けている。


 作っているときが楽しい、それが生き甲斐
 職人として納得のいくものを作るための苦労は尽きない。しかしその苦労は楽しみでもある。「いまだに、初めてやるような仕事のときは、どうしたらええもんになるやろか、と考え込みます。でもそうやって思案するのも楽しみのうちです。作ってるプロセスそのものが楽しいんです。」「やっぱりこの仕事が好きなんでしょな」と言い、朝起きると仕事場に目をやり、今日の段取りを考えるのが習慣だと言う彫師さんは「趣味のような仕事のようなことをして、淡々と50年これた。幸せですよ」と話してくれた。


 こぼれ話

 京指物の特徴とは・・・

 第一の特徴は、表情豊かで多様な製品を持つこと。種類が多く、技法も豊富。家具調度品から茶道具類、美術工芸品まで、様々な技法を使い分け、同じ素材でもまったく表情の異なる製品が生まれます。第二は、木目の美しさ。
 「(板をみて)どこをどう使ったら、一番ようみえるか考えます。」とはある職人さんの言葉。茶道具や香合などでは、木目の面白さを生かすためひとつひとつ形が違うこともあるとか。天然の趣を最大限に引き出していきます。
 第三は、日本の気候風土にあった機能性。長く使っても狂いがでないように、何年も水につけたり、風にさらして完全に枯らすなど素材を整えることに大きな労力をかけます。そして最後は上品で洗練されたデザイン性。千年も都がおかれた京都ならではの上品で繊細、しかも斬新な意匠が最大の特徴です。

*https://kougeihin.jp/craft/0619/ より


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