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<桃> 夢富士

2021-09-01 08:29:25 | 食品

 「夢富士」

●夢富士とは
◆夢富士の来歴
 「夢富士」は福島県の佐藤孝雄氏が「中津白桃」の交雑実生から選抜育成し、1988(昭和63)年に種苗法に基づく登録出願、1990(平成2)年に品種登録されています。なお、品種登録は福島県の果樹苗木販売で知られる株式会社福島天香園が行っています。

 
 果実がやや大きく外観が扁円で、育成地(福島県伊達郡伊達町)において7月中下旬に成熟する早生種の桃です。

◆夢富士の特徴
 「夢富士」の果実は、果重250~280g(撮影したものは300g前後あった)と早生種の中ではやや大きく、果形はやや扁円で縫合線は赤道部、果頂部ともに浅く、玉揃いが良いのが特徴です。

 果皮色は乳白の地色に全体に赤く着色しやすく、果肉は乳白色で着色はしない。肉質は緻密で多汁、繊維は少なく溶質となっています。

 甘味に対して酸味は少なめです。

 皮の剥離性は中となっており、十分に熟したものは途中までは綺麗に手で剥けるでしょう。

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

 果実の外観は扁円、果頂部の形は凹、果頂部の凹はやや浅(花落ち部分に微突がある)、梗あの深さは中、広さは中、赤道部の縫合線は浅、果頂部の縫合線は浅である。

 果実の大きさはやや大、果皮の地色は乳白、着色は中、着色の濃さは中、着色の形は全面である。

 果肉の色は白、果肉内の着色は無、核周囲の着色は無である。

 果肉の粗密は密、果肉繊維の多少は少、果皮の剥離性は中、肉質は溶質である。

 果汁の多少は中、甘味は多、酸味は微である。

 核と果肉の粘離は粘核、核の形は楕円、大きさは大、色は褐、核面の粗滑は滑、刻の点条の比率は1:1である。

 成熟期(満開から成熟までの日数)は91~100日で育成地において7月中下旬である。

 結果量は中、生理落果及び核割れの多少は少、裂果は無である。

 「暁星」と比較して、芽序が単複であること、果頂部の凹がやや浅(花落ち部分に微突がある)であること等で、「中津白桃」と比較して、芽序が単複であること、果実の外観が扁円であること等で区別性が認められる。

-----』

◆実際に食べてみた夢富士の食味
 撮影試食した夢富士和歌山県紀の川の直売所で購入したものです。

 切ると果汁が滴り、果肉の熟し具合もいい感じでした。皮は一部手で剥けましたが、果梗の周りはナイフを使わないと向けませんでした。

 食べてみると、甘味と共に適度な酸味もあり、果肉は柔らかく口の中で崩れていく感じです。

 ただ、残念ながら、試食した桃はしっかりと自己主張するほどの渋みがありました。これは本種の特性という訳ではなく、栽培環境によるものだと思われます。

●夢富士の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
 農林水産省がまとめている特産果樹生産動態等調査では、「夢富士」を栽培しているのは香川県のみで、2016年1.5ha、2017年1.4haとなっています。ただ、この統計には出ていませんが、各地の桃産地で、栽培している個々の農園もあります。

 いぜれにしても、ほとんど市場には流通していない希少な品種という事でしょう。

◆夢富士の収穫時期と旬
 夢富士の収穫時期は産地によってずれがあり、早い所では6月下旬ごろから、福島県辺りでは7月下旬ごろとなっています。

*https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fruit/momo-Yumefuji.htm より


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