「甲州小梅漬」
主な伝承地域 中北地域、峡東地域、峡南地域
主な使用食材 甲州小梅、赤しそ、塩、米酢
歴史・由来・関連行事
「甲州小梅漬」は山梨県の特産である甲州小梅を、まだ青い時期に収穫して、5月末には漬け込みが終わるようにする。特に甲府盆地では特有の寒暖差のある気候が小梅の生育に適しており、種が小さく果肉に厚みが出るので小粒だが食べごたえがある。養蚕の衰退とともに梅の栽培が盛んになった。近年は、宅地化・道路化・高齢化等により生産量は減っているが、現在でも小梅の生産は日本一を誇っているという。江戸時代後期には県の特産品としての記録が残っているほどである。食感や塩分など納得いくものをと試行錯誤してつくられた「甲州小梅漬」は、カリカリと良い歯ごたえから「カリカリ漬」ともいわれ、県内の梅の加工品の中では圧倒的に人気である。従来の梅干しのように天日干しはしないため、「どぶ漬け」といって梅酢に漬けたまま保存するのが特徴である。
食習の機会や時季
保存が利くため通年食べられている。
飲食方法
たっぷりの水につけてアク抜きした甲州小梅のヘタをとり、青みが増すまで塩もみする。よく洗って乾かした卵の殻を袋に入れて粗く砕き容器の底に入れておき、梅に重石をかけて梅酢が上がってくるまで塩漬けにする。卵の殻は梅をカリカリとした食感にしてくれる天然の有機石灰である。その後、塩でもんでアク抜きした赤しそと、米酢、焼酎などと混ぜて、冷蔵庫で保存して1ヵ月後くらいから食べられる。ごはんのお供や、お茶うけとしてそのまま食べられるのはもちろん、おにぎりやお茶漬け、しょうがと合わせたり、アレンジ次第で和風パスタなど意外な料理に使われることもある。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
山梨県が次世代への継承に取り組んでいく郷土食176品目「やまなしの食」のうち、さらに代表的な47品目としてしぼられた「特選やまなしの食」に選定されている。スーパーマーケットや通販などで手軽に購入できる。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kousyuu_koume_zuke_yama_nashi.html より
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