「3D立体ペーパーパズル DXシリーズMOVE」
生きているような躍動感と精巧さ。紙に命を吹き込む。
どの角度から見ても隙なし。卓越した造形技術によってつくられた恐竜や海洋生物が、まるで生きているかのように命の鼓動を伝える。ウラノの3D立体ペーパーパズルは、細部のディティールに徹底的にこだわり人気を博してきたシリーズだ。平面シートから立体的に組み立てるパズルで、照射のパワーとスピードの絶妙な調整による独自のレーザーカッティング技術を駆使して、1枚の紙に命を吹き込んできた。だがウラノの目指す高みはまだ先にあった。「生き物をよりリアルに表現するために、複雑な関節や足先の割れ目まで正確に再現できるところまできました。だが精巧な模型を越えるために足りないものがあった、それは“動き”です」と語る代表の浦野公義さん。それを達成したのがこの、「3D立体ペーパーパズル DXシリーズ MOVE」だ。
可動性を持たせるために、まずは実際の生き物の関節や骨格の動きを研究。動きを忠実に再現しつつ、「生き物らしさ」を表現するために重要である、「どの位置でその動きを止めるか」も研究した。それこそが紙の生き物へ命を吹き込むポイントだった。さらに美しいフォルムを保ちながら動くことも、大事なコンセプト。造形のリアリティだけでなく使用する紙の質感、組み立てやすさにもこだわった。動く仕様にするためにジョイント部分をつくり、ピース数も動かないシリーズの1.5倍以上と格段に増えた。また1500年の歴史を持つ越前和紙を使用したモデルも登場。日本の恐竜研究の中心地として注目を集める福井、その伝統産業である越前和紙を使用すると通常のものと厚みが異なるため、イチから新たに設計する必要がある。組み立て、動きを見ながら、検証を重ねた。この越前和紙が使われたモデルは精緻な造形に陰影が増し、より幻想的な雰囲気を醸し出している。
ここまで丹念につくりあげたものだからディスプレイにもこだわりたいと、駆動する展示台も自作した。ウラノはもともとデザイン会社としてスタートした印刷会社。このシリーズの開発を通して、「紙素材だけでここまで表現できるという可能性を伝えたい」という。シートにびっしり敷きつめられたパーツの数に驚き、それを組み立てるワクワク感。できあがったときの達成感と完成度。「すべてにおいてお客様の想像をどこまで超えていけるか。そこを追求したい。そして、“頭で作る!手で学ぶ!”が今後のテーマ。教材としても力を入れ展開していきたい」。1枚の紙からつくりだされる躍動感溢れる生き物たちは、これからも私たちを夢中にさせていくだろう。
DXシリーズMOVEは9種類(2020年2月現在)。この越前和紙のモデルは、和紙を全面に貼り付けたオリジナルボードを使用。独自のレーザーカッティング技術によって指の1本1本まで忠実に再現されている
モデルの魅力を最大限に発信するため、動かしながら展示することを考案。部品を買い揃えることからはじめ、オリジナルの駆動ディスプレイ装置を設計・製作した
株式会社ウラノ 大阪市鶴見区緑4-2-64
*https://osaka-sei.m-osaka.com/product/569/ より
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