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< 郷土料理 > 北海道 ニシン漬け

2023-11-05 09:35:25 | 郷土料理

 「ニシン漬け」

 主な伝承地域 留萌地方

 主な使用食材 ニシン、大根、キャベツ、人参、赤唐辛子

 歴史・由来・関連行事
 「ニシン漬け」は、北海道のニシン産業の歴史を伝える郷土料理である。江戸時代後期から明治時代にかけて、北海道の特に日本海側ではニシン漁業が隆盛を極めた。春になると、ニシンの大群が産卵のため沿岸に押し寄せると海が真っ白に染まる「群来(くき)」がみられるほどであった。ニシンの漁獲量は明治時代にピークを迎え、一時期、100万トン近くの水揚げ量があったが、昭和30年代ごろから、群来は急激に減り、ニシンはほとんどとれなくなった。現在は、厚岸湖(あっけしこ)などの湖沼とその周辺に定着しているニシンをとることが多いが、その漁獲量は全盛期には到底およばない。
 「ニシン漬け」は、ニシン漁が隆盛を極めた時代から家庭でつくられていた郷土料理。当時は寒い冬を越すための食糧を貯蔵することが重要であったため、その一つの保存方法として漬物が用いられていた。冬が訪れる前に干物に加工した身欠ニシンと野菜を一緒に漬け込んだものが「ニシン漬け」として定着したといわれている。ニシンの漁獲量こそ減少してしまったが、現在でも北海道の冬の家庭料理として根づいている。

 食習の機会や時季
 春にとれたニシンを干物の身欠きニシンにして保存し、晩秋のころに野菜と一緒に漬け込んだ「ニシン漬け」にして冬に食べていた。ニシンが豊漁だったころは、どこの家庭でもよくつくっていた。

 飲食方法
 身欠きニシンを1日から2日、木灰を溶かした水か、米のとぎ汁につけておく。そのあと、十分に水洗いして、うろこを落とし、4~5cmほどの長さに切ったら、キャベツ、大根、人参などと一緒に、米麹と塩で漬け込む。塩分はそれほど強くなく、米麹を使い長期間漬け込むことで発酵が進み、まろやかな味になるとともにニシンの風味と香りが増します。
 大根はしなやかになるまで干したものを使用し、キャベツはざく切り、人参は千切りにして加える。ピーマンを千切りにして加える家庭もある。漬物容器に米麹と塩、身欠きニシン、野菜を交互に重ねて漬け込み、重石をかける。具材をはじめから混ぜ合わせて漬け込んでも良い。
 温かい場所に置くと味が変わるのが早いため、昔は屋外に置いて保存していた。氷点下となる冬を迎え、野菜の水分が凍ることで、シャリシャリとした食感を楽しめる。現在は冷蔵庫などで保存する家庭が多い。

 保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
 「ニシン漬け」をつくる家庭は減少しているが、現在はスーパーマーケットなどでも手軽に購入でき、いまでも北海道全域で食べられている。かつてニシン漁で栄えた留萌(るもい)地方では、身欠き加工の技術が優れており、その技術はいまも受け継がれ、地元の八百屋などでも身欠きニシンを使った漬物が販売されている。

*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/nishinzuke_hokkaido.html より

 


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