「ハタハタ寿し」
主な伝承地域 沿岸中心に県内全域
主な使用食材 ハタハタ、米、麹、にんじん、ふのり
歴史・由来・関連行事
ハタハタは元来深海に住む魚で、海が荒れて雷鳴がとどろくような時に、産卵期の一時期のみ大群で近海に現れることから、雷光の古語である「霹靂神(はたはたがみ)」の名をとってこう呼ばれるようになった。別名カミナリウオともいう。ハタハタは民謡「秋田音頭」にも唄われ、「ハタハタなしでは正月を迎えられない」と言われるほど、県民生活に深く根づいている魚。昔は年間1万トンを超える漁獲量を誇っていたが、乱獲や日本海の水温の変化などが原因で漁獲量が減った現在では、高級魚として扱われている。米どころ秋田らしく、米飯と麹をふんだんに使って作られるハタハタ寿しは、ハタハタ料理の中でも秋田の食文化には欠かせない。地域によって作り方に少し違いがあり、ハタハタをすぐに塩漬けする方法は昔から伝わる作り方。水にしばらく漬けてぬめりと血を除いてから処理する方法は麹の甘みがほどよくのって臭みのないすっきりとした味のハタハタ寿しになる。その風土に合った作り方が今日まで受け継がれている。
食習の機会や時季
ハタハタの頭、えら、内臓を取りのぞいて漬けた一匹ずしは大みそかや正月のお供え用として、一口サイズの切り身にして漬けた切りずしは正月料理に欠かせない一品。
飲食方法
洗って一口大サイズに切ったハタハタを、調味料を加えた酢水に3日間漬け込む。 桶に笹、麴ご飯、ハタハタ、にんじん、ふのり、ゆず、の順に重ね冷蔵室で発酵させる。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
ハタハタ漁は八森の岩館海岸も有名だが、にほか市の平沢漁港も盛ん。現在は昔ながらの純手作り製法で作っているのは、明治時代からハタハタ卸専門店として受け継がれている「三浦米太郎商店」と「永田商店」の2軒のみ。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/29_2_akita.html より
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