「和泉蜻蛉玉 「千の時」 お香立て」
小さなガラス玉に広がる宇宙が時を越えて人を魅了する。
目を凝らし、ずっと眺めていたい小宇宙。それが和泉蜻蛉玉(とんぼだま)。大阪・泉州北部では奈良時代以前よりガラス玉の製造が盛んで、泉州玉・さかとんぼと呼ばれていた。独特の技法で制作したガラス玉は、「和泉蜻蛉玉」として伝統工芸品に指定され、その技法を現在継承するのが、山月工房の2代目で大阪府伝統工芸士の松田有利子さんだ。その製法は太いガラス棒を複数束ね、高温の「カンテラ」と呼ばれる石油バーナーで溶かして棒に巻きつけつくりあげる。表面のカラフルな文様は色付きのガラスを細かく粉砕したものをまぶして再加熱することでできあがる。この『和泉蜻蛉玉「千の時」お香立て』は、世界遺産である京都・平等院の国宝、阿弥陀如来坐像の瓔珞(ようらく)の復元依頼をきっかけに生まれた。その際、国宝と同等材料を使うことが条件となり所蔵する古いガラスの成分を分析したところ、当時のものとほぼ同じだと判明。手元にある少量の材料をもとに苦心の末、原材料を自社生成することに成功した。装飾品として使われることが多かった和泉蜻蛉玉に、新たな息吹を吹き込むお香立て。松田さんは、千年前のガラスの復元であること、そして伝統の復興に尽力した両親の名前から一文字ずつとり「千の時」と名づけた。いにしえの時から愛でられた和泉蜻蛉玉を、次の1000年へ。その記憶は決して色褪せることはないだろう。
パッケージの中央にあしらわれたロゴマークは、山月工房の象徴である「牛血」という赤みが濃く美しいサンゴの色を用いて、和泉蜻蛉玉を流麗に表現したもの
山月工房 大阪府和泉市観音寺町862-5
*https://osaka-sei.m-osaka.com/product/656/ より
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