2024年5月23日 19:56 中野町の岸本記念自然緑地公園(中野竹林)のヒメボタルは今年も大発生しそうな気配です。
20:20 すでに5/24の飛翔出現数は550匹に達しています。
20:26 飛び立とうとしているのはオス。
ヒメボタルの場合、飛べるのはオスだけです。メスが同じ数だけいるとすれば、出現数は1100匹ということになります。
20:27 ヒメボタルのオス
ヒメボタルは甲虫目(鞘翅目)でカブトムシの仲間です。この写真のように前翅(まえばね)は硬い羽根で、後翅(うしろばね)が飛ぶための羽根になります。ところがメスは後翅が退化しているので飛べないわけです。
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長年の進化(淘汰)の中で、メスは飛ばないという選択をしたわけですね。その選択したからこそ、生き残れたわけです。おそらく生息域を希薄にしないという意味があるものと思われます。
20:30 しかし、生息していくためのデメリットもあるわけです。
そこのエリアのエサなどの環境が悪化すると絶滅する可能性があります。
実際、須賀(西除川支流)のヒメボタルは絶滅寸前です。
2020年5月28日に調査したところ、一番多く出現するはずの5/28がわずか3匹の確認にとどまりました。このエリアは絶滅が危惧されます。
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つまり個体数を維持するためには、エサとなる多くの陸生の巻貝が必要です。「富田林の自然を守る会」が委託を受けて竹林の整備し、5年以上の黄色くなった古い竹を切って、チッパーという高価な切った竹をおがくず状にする機械でそれを生息域にまいて、腐葉土状に巻貝が生息しやすい環境を整えたのが、ここ数年出現数が増大した理由と考えられます。
実は50年以上前からここにはヒメボタルが生息しています。(地元、中野町の方のお話)
今年の飛翔出現数
「富田林の自然を守る会」楠本孝一氏調べ。富田林百景メンバー。
例年のピークは5/28日ですが、今年は最初の出現が5/5と早いため、ピークが5/25、5/26頃と早まる可能性があります。観察日の参考にしてください。また、段丘下の出現数が減るととピークに向かう傾向があるそうです。(長年環境を維持して来られている楠本氏の話)
富田林高校の科学部が作ったポスター。出入口に今年から掲示。
注意事項を守って「地域の宝」を守りましょう。
美しい中野竹林の真竹。一部北側に孟宗竹あり。
富田林市域の河岸段丘の竹藪も激減しております。この環境を守ることが本当に大事です。
「ホタルに優しい環境は、人にも優しい。」
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ようこそ、おかえりヒメボタルー富田林市域で(最後に現在の状況あり) 2019.6.5
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- ホタル(26) 26記事あります。
- 今までヒメボタルの場所については、①地元中野町への影響、②環境の保全に考慮して公表を差し控えてきましたが、岸本忠三氏を始め地権者4名の方が中野竹林を富田林市に寄贈され、「岸本記念自然緑地公園」として整備されるにあたり、当クラブのブログでも場所を公表することといたしました。
撮影日:2024年5月23日
2024年5月25日 アブラコウモリH
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