2024年10月12日 7:57 富田林市宮甲田町9-46 錦織神社 本殿 国重要文化財
本日ここで富田林市の石川左岸、旧錦部(にしきべ)郡の地車の宮入りがあります。10月の第二土日曜日は旧錦部郡の秋まつり。錦織神社では9台の地車が土曜日の午前中に宮入りします。
冨田林市の石川左岸、旧錦部郡のすべての村の地車がここに宮入りします。
これは明治40年(1907)の神社合祀令による神社統廃合が大きく影響しています。
8:19 新家地区の田んぼを通る錦織の地車。実はここは東高野街道(新道)です。
8:30 1番【錦織】大鳥居をくぐります。この鳥居が近年できるまで、以前からある小さい方の鳥居は背が低くて地車は通れませんでした。
8:37 200mの長いまっすぐな参道を通り、1番で宮入りしました。毎年順番は同じ、錦織、廿山、甲田、五軒家、宮甲田、須賀、新家、伏山、加太の順に宮入りします。
錦織の地車は明治20年ごろ地元の大工さん5人で作られたという桧材(一部ケヤキ)を使った大きな石川型の上地車。2020年5月 岸和田市上町の植山工務店にて、解体復元修理。137年経過した現在も全く古さを感じさせない地車です。
8:53 2番【廿山】廿山は羽曳野丘陵の山あいにある大きな村。山あいにあるにも関わらず幕末の石高は910石(旗本 水野氏と狭山藩と伊勢神戸藩の三給)もあります。
8:59 宮入り後の「あばれ」。ここは真砂で砂を咬みますが横しゃくり。
地車は明治末期に河南町神山(こやま)から購入といわれます。
9:10 3番【甲田】甲田入場。北甲田と南甲田地区。江戸期のの向田(こうだ)村。伊勢神戸藩領。
9:11 入場後まず神主よりお祓いをうけます。地車は明治16年新調といわれます。
9:19 4番【五軒家】江戸期は廿山村に属し、廿山村の出郷(枝村)になります。水の便が悪く、田んぼは少ないですが、造園業が盛んです。
9:20 錦織神社までの距離が5km以上と長く、出発時間は6時台とお聞きします。
明治16年大和高田市新町地車。大正2年五軒家購入。
9:36 5番【宮甲田】宮元にある地区。江戸期は天領(幕府領)。
9:40 差上げ。砂を咬むので操作しにくいのではと思います。昭和63年新調。
9:45 6番【須賀】 ここも早朝の6時台に出発します。江戸期に錦織の村人が開発したといわれる新田集落(錦郡新田)。
9:48 お祓いの後のパフォーマンス。平成20年新調地車。
9:57 7番【新家】荒前井路より標高の高い場所にあり、現在も溜池灌漑のみで田んぼを維持されています。長く日照り(新家やけ)に苦しみましたが、明治27年の新家の人々が山の向うの廿山村の谷筋の上流部に許可を得て明治池を築造し、分水嶺を越えて新家側に水を供給し豊かな田んぼになりました。すごいですね。山を越える井路。
10:01 昔は「岩井村」「新慶村」「神慶村」とも呼ばれていました。平成8年新調地車。
また新家村の浅川八郎翁は、約10年間かけて明治8年石川に総延長約1250mの人工堤防を築き、荒れ果てた耕地を復旧し新たに8ha余りの耕地を開墾しました。堤のおかげで大水の被害から免れ、あわせて約13haもの良田が生まれました。堤は浅川堤と呼ばれ錦織神社の参道前に記念碑があります。
10:10 8番【伏山】ここも江戸初期に開発された新田集落が起源です。(伏山神新田)。幕末は天領でした。
10:13 地車は平成13年新調。左が伏山の地車。
10:17 9番【加太】 江戸時代の新田集落(加太新田)。「新田」と言いますが、田んぼではなく畑地、おもにタバコの栽培の為に開墾されたようです。享保年間以前より木村主馬らによる請負新田としての開発がなされました。
10:21 地車は明治5年頃堺市南野田新調、大正3年和泉市葛の葉へ、平成11年購入といわれます。
9:04 二本の斧と龍がシンボルの廿山。
鯉が泳ぐ伏山。材質もケヤキのようです。平成13年新調。
南河内の地車は岸和田の下地車のようにケヤキでなく、桧材を使ったものが多いです。おそらく金剛山・大和葛城山に良質の豊富な桧が植林されていたからだと思います。錦織の地車。
錦織地車 お披露目曳行 2021.4.13
獅子噛 どこの獅子噛やったかしらん?
獅子噛 わからんようになってしまった。
11:02 拝殿前に勢ぞろい。
12:44 全部で9台。砂地に各氏子の停める場所を指定した石板が埋められています。
10:34 本殿に各地区氏子代表が集まり祭典が斎行されます。
10:29 この後渡御のため、本殿前に稚児神輿と神輿が置かれています。
12:03 御旅所まで神輿渡御の出発。
12:10 御旅所まで300mほど。往復600m、約40分の旅。
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写真撮影:2024年月10月12日
*地車の情報についてはHP「地車名鑑」参照
2024年月10月21日 アブラコウモリH
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