2021年7月24日 7:21 50パーミルの急勾配
粘着式鉄道(車輪とレールの間の摩擦力(粘着力)によってのみ駆動と支持を行う通常の鉄道)の限界に近い50パーミル(‰)の急勾配。
高野線高野下駅から極楽橋駅まで、なんと10.3kmもの間が50パーミル(1km行って50m登る)。
こんな感じで登ってきます。これ以上の急勾配ですと、車輪が空転して登り切れず立ち往生してしまいます。
これ以上の勾配ですと、昔はラック式鉄道(たとえばアプト式)で旧国鉄が碓氷峠を越えたり、大井川鉄道井川線のようにまれにアプト式の区間が残っているところもあります。
停車中の最新型2300系ズームカー。
高牽引力、高制動力で山岳走行、R100mの急カーブ、50パーミルの限界に近い急勾配を17mショートボディで走る高性能車。しかも平坦区間は高速でも安定して走行できます。以前は大阪なんばまで乗り入れていました。
平成29年(2017)の巨大台風21号の影響で、駅の構内で道床流出が発生しました。5か月間運休し復旧工事の後、相対式ホーム2面2線を1面に変更し棒線駅としました。列車交換(行き違い)は隣の駅にその機能を譲りました。
左側のホームは棒線化のため使用されていません。駅舎から構内踏切を渡ってホームへ。ホーム有効長は17m車4両分。入線する2000系ズームカー。
ホーム後ろの岩盤に咲くオニユリ。
使用するホームは一部岩盤を砕いて設置。そのためホーム幅が狭いです。
駅は50パーミルを維持して登るため駅が中腹にあり、集落は谷筋の下に見えます。
山の尾根筋が高野山に向かう町石道。駅から少し下ると旧高野山森林鉄道のトロッコ道。
レトロな駅舎。敷設以来建て替えられていないようです。無人駅で1日の乗降客はなんと12人(2020年)!
南海100駅中99番目です。
駅舎側にホームのない駅は珍しいのではないでしょうか?
この駅は高野山関連遺産として、高野線の各駅と共に経済産業省の「近代化産業遺産」に指定されています。
社寺参詣や温泉観光・海水浴に端を発する大衆観光旅行の歩みを物語る近代化産業遺産群として~
『高野山参詣関連遺産・南海電気鉄道高野線及び鋼索線(紀見トンネル、高野線紀ノ川橋梁、紀伊清水駅、学文路駅、丹生川橋梁、九度山駅、高野下駅、下古沢駅、上古沢駅、紀伊細川駅、紀伊神谷駅、極楽橋駅、鋼索線、高野山駅)』
1時間に1~2本のダイヤ。乗降客12人の割には多いかな。
木造のレトロな開業時の駅舎が残り、柱ひとつにも意匠が施されているこの駅、どこでしょう?
〈解答は画面をクリックしてください〉
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撮影日:2021年7月24日
事前に写真を撮って、館内学習で作りました。
2021年9月14日 (2021年度富田林百景 林 保夫)
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