アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

子供は脅して育てる?ほめて育てる?

2009年03月06日 | Weblog
 「安全であるべき場」が、危ない

 盗聴事件がありました。保育施設で、保育士が幼児をどのように扱っているかに疑問を持った保護者が仕掛けたと思われます。レコーダーは、マイクの前で話しているかのように鮮明な音を拾っていたそうです。どんな盗聴器があるのかと、調べてびっくり。盗聴産業、なかなか発達しています。万年筆型、腕時計型、置き時計型、テーブルタップ型(これは種類が豊富)、リチュウム電池使用の100円ライターの半分くらいの大きさのもの、コンビニで売っている単三電池を4本入れるもの…などなど、品数豊富。価格も1~3万円台と、意外にお手頃。

 こっそり録音された音声は、CDに編集され、焼き増しされて各方面へ送りつけられました。CDを聴いた人によりますと、そこばかり編集したのでしょうが、「叱責と脅し」の連続だったそう。幼児に対してですよ…。わけが分からないから幼児なのです。叱りとばして、脅かして、恐怖を与えてどうするの?聴いただけで血圧が上がってしまいます。当該保育士さんは、出勤しなくなったそうで、そのまま退職でしょう。

 脅しの中にしばしば登場するのが、「鬼」。「鬼来るよ!」「ほら、鬼一匹!」 節分の時、数多くの幼稚園、保育所へは「鬼」が出張サービスしたことでしょう。それはそれは「恐怖」でしたでしょうから、幼児たちの心に深く記憶されてしまいました。ですから、「鬼」に対する反応は、異常なほど高いと思われます。

 幼稚園、保育所では、どんな意図で鬼を登場させるのか?大変疑問です。側聞するに、「子供達は、震える。泣きわめく」で、鬼が帰ったあともドアが開くだけで、「ギャー」と泣き出す子やら怯える子がいるという。
 テレビのニュースで見たのですが、校庭を全力疾走で逃げる子を、おもしろがって全力で追い回す鬼がいました。逃げる子が、鉄棒に激突したり、転倒したりして怪我に至った場合、どうするのでしょうか?別件で、逃げ場がなく壁に激突して大怪我をした例を知っています。大きな事件が起こり、犠牲者が出るまで、「鬼」を出現させ続けるのでしょうか?「恐怖」を与えるのは良くないです。関係者には、是非取りやめをお願いしたい。

 幼稚園、保育所は、「安全な場」でなくてはなりません。もちろん、小学校も中学校も安全な場でなくてはなりません。高校は?爆弾を造ろうとしていた高校1年生が逮捕された…。大丈夫かなあ?大学は?中央大の教授が殺害され…犯人はまだ捕まっていないんです…。大麻も…、覚醒剤の運び屋も…その元締めも…。

 「子供はほめて育てる」今更言われるまでもない。大人だってほめられると嬉しい。そういえば退職してから11か月を経過…一度もほめられたことないなあ…。
 科学技術振興機構の長期追跡調査…約400人の赤ちゃんに対し、生後4か月、9か月、1歳半、2歳半の時点で成長の度合いを調査した。その結果、乳幼児期に親からよくほめられる子供は、他人を思いやる気持ちなどの社会適応力が高くなるということがわかった。分かりきったこととはいえ、科学的に証明されたということが大きいです。なお、この調査、子供の適応力の発達に結びつくこととして…
 (1) 規則的な睡眠習慣がとれている
 (2) 母親の育児ストレスが少ない
 (3) 親子で一緒に本を読んだり買い物をしたりする

 子供を育てる…「親」が手をかけなさいということです。しかし、親としても、生活のため子供をどこかへ預けて働かなければならない。保育所、幼稚園は、いわば生きていくためためのより所です。その、保育所、幼稚園で、子供が脅されてはたまりません。盗聴器の一つも仕掛けようかという気持ちになっても不思議がないかと。