アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

足クサや噛みついた熊悶絶す

2009年03月12日 | Weblog
  靴下会社の川柳大会

 「第3回足クサ川柳」のグランプリが発表されました。この御時世に、こんな楽しいことをやっている。主催はどこ?人口3万4千人の奈良県北葛城郡広陵町というところにある、靴下製造卸の会社でした。その名は…近年流行のカタカナではなく漢字で、「岡本株式会社」。会社名には、感心するほどおもしろみがないです。「アシクサ」を期待したのですが…。それなら、「アシックス」のパクリだろうって?アシックスの会社名の由来は、ラテン語の格言「Anima Sana InCorpore Sano」(健全な精神は健全な肉体に宿る)からで、足が臭かったわけではない。ですから、岡本をアシクサにしてもパクリにはならなかった…。

 岡本株式会社、創業が昭和9年というから75年の歴史を持っている!従業員400名で売り上げが237億円…、単純計算で、社員一人当たりの売り上げ…6千万円!凄い会社です。これなら川柳大会が出来るはずです。

 第3回のグランプリが、「草野球 スパイク脱いだら くさや級」(作者は、「オレ龍」。雅号なのか俳号なのか芸名なのか川柳ネームなのかは不明)

 足の臭い人っております。私の場合は、毎日プール通いで、風呂も欠かさない。そのため、足は無味無臭です。念のため。あ!間違えました。味見していないので、無味はカットしておいてください。
 足が臭いのは良くないことか?そうでもありません。足が臭くて、命が助かった例を知っています。足は、臭い方がいいこともあるのです。

 繁利(しげとし:仮名。実名でも問題が起こることはないでしょうが、局所的には有名な話を開陳しますので、用心のため仮名にしました)の父さんの話です。
 山の中の道路工事の最中、子熊が出てきた。39年前の話なので、国道に熊が遊びに出てくるなんてことは、日常的だったのです。
 道路と熊については、石原伸晃さんが、「車より熊のほうが多く走っている高速道路がある」と言いました。居合わせた、鈴木宗男さんに、「車より熊が多く利用している高速道路があるわけないでしょう」と、怒鳴られて…伸晃さんが泣きそうになったことがありました。鈴木宗男がもちろん正しい。いくら山の中でも、熊はそう簡単に出てきません。

さて、道路工夫たちは子熊を侮って、スコップを持って取り囲んだ。その中に、町内一足が臭い、繁利の父さんがいた。子熊は、一点突破を試みた。繁利の父さんが弱そうに見えたらしく突進した。繁利の父さんは、スコップを振り上げる間がなかったので、子熊に正面蹴りを見舞った。その足が、子熊の口にスッポリと入った。もちろん、子熊はがぶりと噛んだ。子熊の牙は、ゴム長靴を貫通した。繁利の父さんは、「ギエェーー!」と断末魔の悲鳴を上げた。と、次の瞬間、「ヴエェーー!」と、子熊が悲鳴を上げて崖下へ転がり落ちていった。あまりの足の臭さに、悶絶したらしい。
 足が臭くなければ、足は噛み切られ、鋭い爪で内臓を掻き出されていた…でしょう。臭い足で、命拾いしたのです。

 傷が癒えた繁利の父さんは、だれかれ関係なく、熊に噛まれた傷跡を見せたがった。「熊に噛まれた跡、見たいか?」と、私も迫られた。すでに靴下を半分脱ぎかけている。這々の体で逃げたものでした。危なかった。視覚のほか、嗅覚にもうったえられますからね、悶絶の可能性がありました。尚、その靴下が岡本製だったかどうかは確認できませんでしたが。

 第3回足クサ川柳へは、3か月間に12,587句の応募があった。どうして、「足クサ川柳」というふざけた企画にこれほどの反響があったのであろうか?足が臭いということは、何か郷愁というか…惹きつけるものがあるということなのでしょうか?チャーチルも、「匂いくらい、過去をはっきり思い出させてくれるものはない」と、言っていましたし。

 靴下で印象的な出来事は…アメリカ人のアシスタント・ラングェジ・ティチャー(ALT)と、デパートで出会ったときのこと。彼は、覚えたての日本語を使いたくてたまらない。「何を買いに来たの?」という質問に、彼は周囲の日本人の皆さん聞いてくださ~い、というほどの大声で答えた…「クソシター!(靴下のつもり)」 周囲の客が注目したことは言うまでもなかった。白人が、デパートで、お漏らししたらしい…。

 尚、第4回足クサ川柳の応募作品・・・「足クサや噛みついた熊悶絶す」 う~ん。これでは、前後の状況が解らないので、グランプリどころか入選もないかな。