アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「円盤来い来い」で、円盤は来ないと思うが…

2012年11月19日 | Weblog
 三島由紀夫の長編小説「美しい星」(新潮文庫)がじわじわと売れているのだという。50年も前に書かれた本が。なぜ今?それは、作品の中に、「放射性物質、セシウム、半減期」などの言葉が出てくるからでしょう。三島由紀夫が、「放射能に怯える日本を予見していた」…。読んでみようかなという人がいても不思議はない。

 今頃になって、「美しい星」のタイトルを目にするとは思ってもいませんでした。私の場合、放射性物質とは関係なく、「宇宙人が乗ってくる空飛ぶ円盤」で、懐かしく…昔を思い出しました。

 学生時代に、「円盤を呼ぶ会」なるグループがありました。活動するのは、土曜日の夜。小田急線の生田に集合して丘へ登る。そこで、空へ向かって、「円盤来い来い、円盤来い」と呼ぶ。教授が主催者という話もありました。(実際、教授も参加していた)
 それって、三島由紀夫や星新一が所属していた、「日本空飛ぶ円盤研究会」と関係があるのかって?時代が違うので直接関係はないですが…いわゆるパクリでしょう。

 実にバカバカしい。「円盤が本当に来た」という噂(意図的に流したデマでしょうが)も流れました。その時はさすがに、「参加してみようかな」と、心が動きましたけどね。何度か誘われ、拒否しているうちに、「円盤を呼ぶ会」も自然消滅。
 結局、土曜日の夜大勢で集まって、始発の電車まで楽しく過ごそうというものだったような…。丘の上でフォークダンスとかしたのかって?参加していないのでたしかなことは解りませんが、フォークダンスはしていなかったと思います。「円盤を呼ぶ踊り」は、していたと思います。

 どうして、「生田」だったのか?それは、「美しい星」のエピローグの部分に、「東生田の裏の丘に円盤がやってきた」と、書かれているから。それなら、飯能市の羅漢山でもよかったんじゃないかって?たしかに、「美しい星」に、羅漢山へ円盤が来ると書かれています。しかし、私どもの学校は世田谷でしたので、生田の方が近かった。まあ、その程度の理由です。

 小説と、現実がゴッチャになっているわけで…おもしろいといえばおもしろい。平和な時代だったということでしょうか。
 と、いうわけで、「美しい星」にはバカバカしくも平和な思い出があります。

 それから十数年後、家内と一緒に「空飛ぶ円盤」を目撃したわけで…。オレンジ色に輝く楕円形の物体でした。こうゆう話って、信じる人と信じない人がおられる。私も自分で見るまでは、その手の話はマユにツバをツケながら聴いていましたけどね。

 美しいUFOを目撃しましたが、私どもは宇宙からやって来たわけではありません。何の話をしているのかって?「美しい星」の主人公一家は、火星やら水星やら金星やらから来ていましたので…。
 その人達で家族をつくっていた。円盤に乗って「生田(小説では東生田)」に着陸した…だったと。(記憶がまだら…なにしろ、テムズ川とセーヌ川を間違えたり)。
 三島由起夫の円盤の描写が、「あざやかな橙色にかがやく」なのです。私達が目撃した円盤と同じものだったかも知れません。