アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

いじめ…因果応報なら減るのでしょうがね…

2013年04月21日 | Weblog
 「いじめ列島」…笑うところではないのですが、思わず笑ってしまいました。いじめ関連本のタイトルなのです。「火山列島」とか「地震列島」は、しょうがないなあと思うのですが、「いじめ列島」は…。そのまんまと言えばそのまんまなのですがね。

 「いじめ」は、ヒト属の本能か?本能とは思いたくないのですが、どうやら本能みたいです。根拠?そんなのあるはずがない。言えることは…
 「ヒトが集団の中で、サルのように順位を明確に維持していた限りでは、特定の個体に攻撃が集中するいじめは起こらなかった。ヒトとして進化した過程で、社会的な知恵を発達させたが故にヒト特有のいじめが生まれた」 …正高信男さんの受け売りですがね。

 では、それはいつ頃か?
 ヒト属による単発的な火の使用の開始は、170万年から20万年前までの広い範囲。象狩りは、2万年前…旧石器時代。170万年前から2万年前までにいじめが始まった…。気が遠くなる時間の幅。
 火などの文明を使いこなせるようになって、ほかの動物を敵とする必要がなくなった。と、なると、攻撃は内部(ヒト同士)へ向けられる。
 「攻撃は、同じ種の仲間に対する闘争の衝動。ヒトは、ヒトを攻撃する(ローレンツ:1903-1989動物生態学 刷り込み『imprinting』の研究者でもある)」。いじめはヒトの本能…と、言ってしまっていいかなぁ?

 記録にあるいじめとして・・・日本最古の書「古事記(712年、およそ1300年前)」に、大国主命が兄神たち(八十神:やそがみ)からいじめられたことが記されている。旅の荷運びを押しつけられたり、二度も殺されたり(二度とも生き返ったところが、神様の真骨頂!)。神様の世界でもいじめがあるらしい。
 大国主命と言えば、「因幡の白兎」。よく質問されるのが、「因幡の白兎に出てくるのは、ワニなのかサメなのか?鳥取県にワニやサメがいたのか?」ということ。
 本居宣長は、「古事記伝」で、「ワニ」だと書いています。因幡の白兎は、明らかに南方から伝播した説話が大国主命の話に入ったものです。インドネシアには「鼠鹿(ねずみじか:原始的な鹿のなかま)と鰐」の話があり「因幡の白兎」の伝説と全く同じです。どうやって、インドネシアから日本へ来たんでしょうねえ。泳いでは来なかった…。

 日本書紀(720年)には、「武烈天皇」の異常な行為が書かれている。これは…いじめではなく、虐殺というべきか。
 落窪物語(1000年頃)…継子いじめ。
 源氏物語(1001年)…桐壺(光源氏の母親)が嫉妬で他の奥さんから いじめを受けた。

 「落窪物語」は、とりわけおもしろいというか興味深い。どこがおもしろいか?主人公の美しい容貌を持つ薄倖な姫君が継母からいじめられ、「畳の落ち窪んだ部屋(早い話が、床が抜けた部屋)に住まわさた」。畳が「落窪!」おもしろいですよ。私などは、「あばらや物語」になってしまう。
 おもしろいのはそれだけじゃない。ストーリーが、「シンデレラ」とそっくり。ただ、シンデレラそっくりのお話しは、世界中にある。元々の話は、紀元前1世紀。落窪物語を書いた人(作者不詳 表現に品がないので、下級貴族らしい)は、創作ではなく、パクリでしょう。遣隋使か遣唐使が伝えたものを、日本流にアレンジして書いたのでしょう。「日本」という呼び名も遣唐使の頃から使われはじめた。

 継子いじめで、いじめられた「落窪の姫」は、後に継母に復讐する…。当時の日本人は、因果応報が好きだったから…。
 現代のいじめ…いじめる側が、「因果応報」を信じ怖れると、いじめは減るのですがねえ。