アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

間引きできない農民の苦悩…?

2014年07月17日 | Weblog
 似非農民をはじめて7年目になりますが、やはり本物の農民にはなれそうもありません。理由ですか…
 ポットに2個の種を蒔く。元気のいい1本を定植する。つまり、元気の良くない方は、廃棄する…殺してしまうってことなんですがね。私には、それができない。芽が出てきたものは、全て育ててあげたい。「間引き」など、とてもできません。
 では、本物の農民の皆さんは、「非情」ということかって?…実は、間引きしないほう(早い話が、私)が非情なのかも知れません。一株に1本の植物を、間引きせずに2本育てると、栄養分の取り合いとなり共倒れしてしまう。間引きしない方が非情です。それでも、間引きしたくない。…のび太に似ています…。

 ドラえもんの、「のび太の結婚式前夜」。
 のび太が、将来本当にしずちゃんと結婚できるかどうか心配になる。ドラえもんのタイムマシンで、結婚式当日に行こうとするが、結婚式の前日に行ってしまう。ドラえもん、しっかりしてくれよってところですがね。

のび太は、スネオ、ジャイアン、出木杉くんと深酒。心配顔のしずかちゃんに、お父さんが感動的な話をするんです。
 「あの青年は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ」
 これ、すごいですよ。藤子・F・不二雄さんの、渾身のセリフじゃないかなあ。
 私は、人の幸せを願いますよ。人の不幸を悲しみます。そんなこと、人類は皆同じだろう。だからのび太くんに似ているという話にはならないって…そうなんですが、のび太くんは、アリ一匹を助けたりするのです。犍陀多(かんだた)を真似たわけでもないでしょうがね。私は、植物を間引きできない…。

 仏教に詳しい人は、「それは、利他の心」と、すぐにお解りになる。誰かのために尽くし、見返りを求めぬ。それが苦難の時代を生きる指針になるわけで…
 確かに、アリを助けても見返りはない。間引きしなくても見返りはぁ…うーん、不作という見返りがあるかな。間引きはすべきか?しかし、命あるものをムザムザと殺せない。似非農民でもいいかな。