アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

学生全員が詐欺に騙されない自信がある大学

2015年12月03日 | Weblog
 久しぶりに大学で講演させていただきました。それは、すでに書いただろうって?そ、そうなんですがね。…講演させていただいた大学は、以前講座を持たせていただいたり、講演させていただいた、都○○科大でも、筑○大学でも、東○○芸大学でもありません。だったら、東京大学か京都大学なのかって?そ、それほど有名じゃない…「こ、こ、高齢者大学」なんですがね…。そんなの大学じゃないって?コラコラ!大学にはちがいないでしょ!駅弁大学であろうと、マンモス大学であろうと、有名大学であろうと、定員割れ大学であろうと、大学は大学なのです。

 で…高齢者大学の学生さんで、「特殊詐欺に騙されるんじゃないかと心配している人は・・・ゼロ!」皆さん、自信満々。何を根拠に騙されない自信を持っているのか?!失礼ながら、「自分はボケちゃいない、しっかりしている」という幻を持っているからでしょう。

 特殊詐欺対策本部によりますと…「平成27年上半期の被害については、認知件数995件、被害額約33億9,984万円」。
 騙されない自信満々の人が、コロリとだまされていると思われる数字です。それにしても、およそ34億円の稼ぎ…詐欺師にとって、大変魅力的な市場でしょう。

 私は大学生の皆さんの自尊心を傷つけるようなことは言いません。つまり、「えっ?騙されない自信があるって?そーゆー人が騙されるんです!」などとは言わないってこと。このセリフでは完全にフラストレーションを増殖させてしまいますからね。で、なんと言っているか…

 「いいですかぁ、子どもさんやお孫さんから電話がかかってきて、非日常的な話題が始まったら必ずこう言ってください。『なんか大変な話みたいだから…忘れないように録音するからちょっくら待ってな。えーと、録音ボタンは…ああ、これこれ、スイッチオンっと。ハイ、いいよー』このセリフ紙に書いてください。紙は、家の電話機の前に貼ってね。みんなで一回練習しましょうね。イチ、ニイ、サン、はい!『(唱和)なんか大変な話みたいだから・・・…』」

 特殊詐欺のほとんどが電話経由。被害を未然に防止するのは、犯人からの電話を遮断することです。そう考えたので、大学での講演中に、「電話を録音しますよ」を唱和していただくわけで…効果があったかどうかは知りませんが、私の講演後、大学生が住んでいる町では特殊詐欺被害が出ていない。

 私のアイディアを横取りしたわけではないでしょうが、「特殊詐欺撃退機」なるものが市販されています。高齢者世帯にこの「特殊詐欺撃退機」を無償で貸し出す市町村もあります。
 仕組みは、「特殊詐欺撃退機」を固定電話に取り付けると、「撃退機」が電話をかけてきた相手に、「特殊詐欺の被害を防止するため通話を録音しますよーっ」と警告してくれる。
 自分で言わなくても、機器が言ってくれるって事ですね。脅しだけではなく、実際に録音もする!警告のメッセージを経ないと電話はつながらない。これ、いいですよ。犯人は、「こりゃ、まずい!」と、電話を切りますよ。撃退機は高価なのかって?知れる範囲では、1万円前後。

 機器が入手できない人は、自分で、「なんか大変な話みたいだから…忘れないように録音するからちょっくら待ってな。えーと、録音ボタンは…ああ、これこれ、スイッチオンっと。ハイ、いいよー」と、言えばいいわけで…。

 高齢者に小芝居をさせるのかって?そうですよ!相手(詐欺師)が大芝居を打ってきているわけですから、こちらはせめて小芝居で返さなきゃね。うーん、今日のオチはまずまずかな。