アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

サンタなどいないという子にどう応えるか

2015年12月17日 | Weblog
 「サンタクロースって本当はいないんだよね!」
 「(ムキになって)い、いるよ!」
 「いないよ!お母さんがプレゼントを買って枕元に置くんだよ」
 「い、いるよ!本当にいるんだよ」
 小2の男の子と私の会話です。どうして私はムキになって、サンタクロースの存在を主張したのか?男の子は一人親で、私を父親のように(祖父のように?)慕ってくれる…。それなのにムキになることもなかったのかなぁ…。だけど、「そうだよ、サンタクロースなんているはずないでしょう。第一煙突から人が入ってくることなど困難。熱いし、煙たいし…」こんなことは、言えませんよ。煙突からは入らないけど、壁をすり抜けて入ってきてくれる。

 発心集(鴨長明)に次のような話が載っています。
 京の鴨川の辺で3人の男の子が言い争っていた。通りかかった僧が口論の訳を尋ねると…「般若しん経」の「しん」の漢字は、「真」「深」「神」のいずれかかで口論になったという。僧は全部が間違いだと笑い、正解の「心」を教えてやった。
 僧は満足だったが、子供達は口をつぐんで立ち去った。そこへ高貴な方が現れ「全く心外だ。経は真実で深く神も重んじる道理。子供の主張は全部当たっている。折角感心して聞いていたのに」と僧を叱った。

 高貴な方ってのは大したものです。私がムキになってサンタクロースの実在を説いた背景には、高貴な方というか、鴨長明の影響がありました。
 サンタクロースのモデルは…4世紀頃の東ローマ帝国の教父聖ニコラウオスの伝説が起源。実在した人物。クリスマスの前の夜に、トナカイに輓かせたソリに乗り、良い子のもとへプレゼントを持って訪れる。…このような美しい話を否定すると、高貴な方に、「罵倒」されてしまいます。

 それにしても、「サンタクロースって本当は、いない」と、私に教えてくれた彼…私に反撃されてどんな気持ちだったかなあ。悪いこと言っちゃったかなあ…。