アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

うちお金がないからノートが買えない…

2015年12月07日 | Weblog
 法務省関係のボランティア活動が一段落しましたので、12月に入り、学習支援で小学校へ行く時間を増やしました。と、いっても週に2~3日ですがね。5年も続けているので、すっかり顔なじみの子もおります。
 3年生の算数の授業に入りました。ヤマトくん(仮名)が仏頂面でおりました。ノートの最後のページまで使ってしまい、裏表紙のほうに二等辺三角形の作図をしていました。
 「ヤマトくん、ノート買ってもらわなきゃね」
 と、私が言いました。このセリフは、私が結構気に入っているセリフ。ほとんどの子の返答は…
 「うん、今日買ってもらう」です。そこで私がいいことを言うのです。
 「ノートを使い切るということは、一生懸命勉強したということ、おうちの人も喜んで買ってくれるよ」…どうです!心温まる会話でしょう!
 中には、「うん、もう買ってもらったの!持ってきているよ、ほら!」と、真新しいノートを見せてくれる子も。そう言う子にも、「おうちの人、喜んで買ってくれたでしょう!きみの頑張り、本当に素晴らしいね」と、鳥肌が立つようなことを言います。選挙にでも出るのかって?あ、あのね、小学生にはまだ選挙権がなぁいぃのぉ!

 さて、ヤマトくんに話を戻します。私と、ヤマトくんの会話…
 「ヤマトくん、ノート買ってもらわなきゃね」
 「うーん…。昨日、お母さんに算数のノート(書くページが)なくなるんだけど。と、言ったんだけどね…うちにはお金がないから、ノートは買ってあげられないって…」
 「(動揺して)そ、そうか、そうなのか。ノ、ノートは必要だよね…(シドロモドロ)」
 
 これ…どうなってんの?子どものノートも買えないほどの生活困窮世帯だったのか?まさかその母親、スマホのゲームやってんじゃないでしょうねえ…。スマホのゲームぐらいいいじゃないかって?冗談じゃない。スマホはすぐに解約して、来月にはノートを買ってあげられるようにしてほしい。「子どもの貧困」という、下水に流したい言葉があります。子どもが貧困なワケがない。ストリートチルドレンでもあるまいし。保護者が遊興の為に少ないお金を使ってしまうから、こどものノートが買えないという構図なのです。
 ヤマトくんの隣の席の子は、転校してきたばかり…?
 「私は、アンティークマン。君の名前を教えて?」
 「ボクは、サカモトじゃなくて三村翔太(仮名)。また、ママの旧姓に戻っちゃった」
 ま、また戻った?つ、つまり、翔太くんの母親は…少なくても二度は旧姓に戻ったことがうかがえるセリフ。翔太くん…十歳で、すでに二度ほど修羅場をくぐってきた…。ノートは、買ってもらえるかなあ…。