メゾソプラノのディドナートさんのマスタークラス。
2日目の動画も見入ってしまいました。
1日目より少し厳しさが出てきています。
ピアノでこの感覚はなかったなと思ったこと。
あるハーモニーで、「あなたはコードの上に声を着地させています。着地するのではなく、中に入り込むように」
と言われた後の生徒さんの声が、全く違うものとなっています。ちょっと感動です。しかし難しいことのようで、その後何度も違うと言われています。
コードの中にメロディーが入り込むようにという感覚、私には新鮮です。
ハーモニーが変化する時に、その音色に合わせた声にすることを意味しているのかもしれません。
ハーモニーを直接自分では演奏しない声とコードが弾けるピアノでは、声の方がこのような時は難しいのかもしれませんが、自分のことを考えると、ピアノで弾いても単にコードにメロディーを乗っけているだけということは少なくない気がします。
3人目の受講生の時に、とてもとても大切なお話をされています。
ディドナートさんは生徒さんがどんな心の状態にあるのかを見抜いていらして、歌の途中で客席に背中を見せて歌わせたり、オペラの場面の心情を横から監督のように声掛けして歌に集中させています。
受講生が歌い終えてから、客席の反応に「見て」というジェスチャー。
良く聞こえませんが「音楽はお客様と共有するためのもの」といったことを仰っている様子。
マスタークラスでこのようなお話をされるのはなかなか無いのではと思いますが、長い時間を使い話されていることがあります。そして、その話でレッスンを終えています。
歌は様々な人の人生を生きることもあってか、人の心情にとても敏感な感性を持っていらっしゃると同時に、プロとしてどうあるべきかもきちんと伝えていらっしゃいます。