イリーナ先生のyoutube で公開されているミラちゃんのレッスン動画が、とても参考になっています。
私のところで新しく習い始めた生徒さんたちが、まだ音の読みまで進んでいないので、その前の段階で取り入れたことが2つあります。
ひとつは3つの黒鍵の聞き取り。
上巻のワークブックにこのような課題があります。
これを使って、弾くだけではなく聴く練習ができます。
同じ頃に始めても、聴くことは生徒さんによって既に差があります。
音がずれてはいるものの音の動きは分かっている生徒さんもいれば、動きも音も全く分からない生徒さんもいます。1音だけ弾くと当てられる生徒さんもいます。
今更ですが、この初歩の段階で既に違うのだと少し驚いています。
聴き取る力はあった方が良いので、これを続けながら聞いて覚える曲も多めにやろうと思います。
もうひとつ取り入れたのが、できるだけ毎回、鍵盤のドレミの位置を覚えるために連弾で一緒に弾くこと。
音階を弾くのではなく、ひとつの音を選び1オクターブ離して両手で交互に弾きます。
ここでも既に差が出ます。
伴奏を聞いて一瞬でテンポをつかみ上手く合わせて弾ける生徒さん、テンポはつかめないものの最後まで両手交互には弾ける生徒さん、テンポがつかめず私の伴奏につられ真似るようにグチャグチャに弾く生徒さん。
グチャグチャになる生徒さんは弾く前の段階が必要になります。
音楽やメトロノームに合わせて手を叩く(部屋が広ければ歩いてもらえます)、童謡を多めに歌いテンポを感じ取ってもらう(手遊び歌は良いと思います)、伴奏はCD に任せて一緒に手を動かして弾く(手を動かすとテンポに乗れない場合もあるので生徒さんの手を持って弾きます)。
白鍵が分かるようになってきたら、聞き覚えの曲も音名で歌いながら覚えられます。
私は今できることに目を向けてレッスンを進めていたなと思います。
苦手なことはもう少し経ってから力を入れれば良い、と考えていた節があると気付きました。
時間が経てばその内できるようになること、時間の経過が必要なこと、今から対策を立てられることの区別をはっきり持ってレッスンを計画しなければと、今頃になって思いました。
レッスンの手法に気が向いていて、方法の問題で生徒さんが伸びないのかと考えていたかもしれません。
そんなことにも気付かされたイリーナ先生のレッスン動画でした。
普通の生徒さんの日常のレッスンを、こんなにたっぷりと拝見できることは珍しいことだと思います。学べることがたくさんあると思いますので、是非ご覧になって頂きたいです。