もしかしたら悪気なくかけてしまうかもしれない言葉です。
【禁句】
「もっとがんばらなきゃ」
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できないことで本人も不安な気持ちになっています。そんな時に、ただ「がんばれ」と言うことは意味がありません。がんばってできるのであればLDではないのです。
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「やる気がないの」
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遅れが目立ってきた時に、励ましているつもりでも本人にとっては大きなプレッシャーになります。LDはやる気の問題ではありません。何かをやらせる時は上手におだてて乗せてあげること。
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「ほかの人はできるでしょ」
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学年が上がるに従い、他の子との違いに気付いてきます。自分でもなぜできないか悩んでいる場合も多く、結果を比べて叱ることは子供にとって大きな負担に感じるだけです。
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「きちんとしなさい」
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がんばっても他の子と同じように出来ないのがLD。特に具体的な指示ではない言葉がけは混乱するだけです。
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「そのうちできるようになるよ」
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根拠のない慰めや励ましをするのではなく、以前の状態と今の状態を比較して、具体的に少しずつでもできるようになっていることを励ますのが良いでしょう。
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【褒め方】
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★すぐ褒める。★具体的に褒める。★もっとやってほしくても「でもね」「もっと」は言わない。★できないことは目をつぶる。★聞き取りが苦手な子には大きなジェスチャーで褒める。★褒める、叱るにしっかり差をつける。★小さな成果を見逃さない。★できることを伸ばす。★夢中になっていることや好きなことを上手に褒める。
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【その他】
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★「〇〇がまだだね」とやり直しのきっかけを作りながら、繰り返し根気良く教える。
★まかせる時は口を出さない。
★すぐに指示をしない。→自分で考えようとしなくなり、指示がないとできなくなる
★好きにしなさい、自分で考えなさいも良くない。→聞いても答えてもらえないため我流で推し進める癖が付いたり、わからないままになる
★止まらない質問に答え続けない。→パターンになりこだわりになってしまう
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本にこのような言葉があります。
『できない時に叱るのはよくありません。できないのは、怠けていたり、できるのにやらないからではありません。叱るというのは、やっていることをやめさせるために行う方法で、何かをやらせる時に行う方法ではありません』
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これらの声掛けは、発達障がいに関係なく子供たちにかかわる私たちには身近な言葉です。
障害のある人に通じることは、障害のない人にも通じます。
私は本当に多くのことを発達障がいから学びました。
今回で、これまで知ったこと、実践してきたことをまとめたものに一区切りをつけたいと思います。
これまで書いた中で、何かひとつでも先生方の生徒さんのお役に立てることがあると幸いに思います。
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参考文献
『発達障害のある子へのサポート実例集 小学校編』
上野一彦 月森久江 著/ナツメ社/2010年
『怠けてなんかいない!セカンドシーズン2 あきらめない読む・書く・記憶するのが苦手なLDの人たちの学び方・働き方』
品川裕香 著/岩崎書店/2010年
『じょうずなつきあい方がわかる LD学習障害の本』
宮本信也 監修/主婦の友社/2009年
『こんなとき、どうする?はったつしょうがいのあある子への支援 幼稚園・保育園』
内山登紀夫 監修/ミネルヴァ書房/2009年
『健康ライブラリー AD/HD,LDがある子を育てる本』
月森久江 監修/講談社/2008年
『健康ライブラリー LD(学習障害)の全てがわかる本』
上野一彦 監修/講談社/2007年
『LD(学習障害)とディスレクシア(読み書き障害)子どもたちの「学び」と「個性」』
上野一彦 監修/講談社/2003年
『うちの子、なんかちがう?学習障害(LD)とその周辺の子どもたち』
上野一彦 監修/小学館/2003年