<クリストファーさんコメント>
この版では,ついに,ゴラムは自分からビルボに指輪をあげたのではない,と,明記されるようになりました。以前にも書きましたが,実は「ホビットの冒険」の初版では,「ゴラムがあげた」事になっていたのですが,この為に,改訂されたんですよね。
</クリストファーさんコメント>
<本文>
「でも,彼がビルボに指輪をあげたのではありません。」とフロド。「ビルボの方が先に床に落ちていたのを見つけたのです。」
「わかっておる。」とガンダルフ。「それがビルボの冒険の中でも1番不思議な所じゃ。何が起きたかゴラムの祖先の事を調べてもほとんどわからんと言ったのはその為じゃ‥」
</本文>
<クリストファーさんコメント>
ガンダルフは,ゴラムに会った時の話をします。
</クリストファーさんコメント>
<本文>
ゴラムは喜んで話してくれた。,‥ホントはそうではないが,こんな感じで。彼は嘘つきじゃ。彼の言葉はそのまま受け取ってはならぬ。例えばそれが誕生日のプレゼントだったとか‥,わしは笑ってやった。そしたら,彼はもう少し本当らしい話をしおった。彼は鼻をすすったり,唸ったりしながら,人々に誤解され,いじめられたという話を‥‥
</本文>
<クリストファーさんコメント>
そして,ビルボの名前はWilderlandに広まってしまいました。
この版で,フロドはこんな事を言います。
</クリストファーさんコメント>
<本文>
「とにかく,もしゴラムが殺されないんなら,ビルボは指輪を持ってなければよかったのに。何故彼は持ち続けたんだろう?」
「今まで聞いてきた説明でわからんか?」とガンダルフ。「わしは覚えておるが,あんたは最初にその指輪をもらった時,これはとても良い物だと言っていたじゃろう。そして何故ビルボがそれを持って行かなかったのか,不思議がっていたじゃろう。彼はわしらがそれが大事な物と気付くずっと前から持っておった。気付いた時には遅かった。それは賢い者の助言も曇らせてしまうほどの力があるのじゃ。ビルボはその影響から逃れる事はできなかった。彼はそれを記念品としてとっておこうという事にしたのじゃよ‥‥」‥‥‥
‥という事で,この辺りは,多分正式版とあまり違わないような事が書かれているので概略を。。。フロドは,この指輪が自分の所に来なければよかったのに!と言うと,ガンダルフは,ビルボはフロドを信じて譲ったのだと言い,自分は協力すると約束したので,たくさんの危険な旅に出た(いろいろ調べた)と言います。
ガンダルフが炎の手紙を見つけた(何なんでしょう,炎の手紙って)のは,ビルボがシャイアを出ると決心した後でしたが,彼はビルボに言ってしまうと,彼が指輪を他人に手放さなくなりと思い,あえて言いませんでした。ビルボは既に60年持っていたので,最終的に磨滅してしまう事を恐れたのです。しかし不運な事に,ゴラムの事(=ビルボの名が敵に知られている)を知ったのもその後でした。
するとフロドはガンダルフに,自分にはそんな力はない,と,指輪を託そうとします。が,ガンダルフは飛び上がって,誘惑するな!と断ります。
(お~これは,ついに超有名シーン登場ですね!‥‥前の版では,彼は簡単に指輪を持っちゃってましたから,大きな進歩ですっ)
外では,サムが庭仕事をしています。ガンダルフはカーテンを閉めて,さらに話しを続けました。
</本文>