2019年も終わろうとしている12月下旬に、1月中旬にbunkamuraまで鑑賞しに行った「国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティックロシア」の感想を書いておきたくなるとは自分でも苦笑せざるを得ない。
ロシア美術にそこまで関心の無い人でもこの「見知らぬ女(邦題:忘れえぬ女)」はどこかで見たことがある、という人は少なくないだろう。
昨年、展が開催されていることを知った私は「見知らぬ女」と「月夜(展では月明りの夜)」にぜひまた会いたいと思い、そのためだけに夜行バスでの強行軍旅行を敢行したのだ。
アレクセイ・サヴラーソフ「田園風景」、イリヤ・オストロウーホフ「芽吹き」、アブラム・アルヒーポフ「帰り道」、コンスタンチン・クルイジツキー「月明かりの僧房」、イワン・シーシキン「森の散歩」「雨の樫林」「正午、モスクワ郊外」、グリゴーリー・ミャソエードフ「秋の朝」、イワン・ゴリュシュキン=ソロコプドフ「落葉」、イリヤ・レーピン「画家イワン・クラムスコイの肖像」、イワン・クラムスコイ「月明かりの夜」「忘れえぬ女」、パーヴェル・チスチャコーフ「ヘアバンドをした少女の頭部」、ニコライ・カサートキン「柵によりかかる少女」、オリガ・ラゴダ=シーシキナ「草叢の少女」、アレクセイ・ボゴリューボフ「ボリシャ・オフタからのスモーリヌイ修道院の眺望」、ニコライ・クズネツォフ「祝日」、これらの作品に見入り、ほかにもメモをした作品も少なくなかった。
クラムスコイの2作品とレーピンの「画家イワン・クラムスコイの肖像」はレーピンの随筆『ヴォルガの舟ひき』の内容を思い出しながら特にじっくりと鑑賞した。
2019年に行った美術展については、弊ブログで触れた分以外にも「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」、「トルコ至宝展」、「西洋近代美術にみる神話の世界」、「佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」、「円山応挙から近代京都画壇へ」にも足を運んだ。いずれも素晴らしい特別展だった。来年もいい美術鑑賞の機会に巡り合いたいものだ。