「明けてくる新しい日にたいして敬虔な心をおもち! 一年のち、十年のちにどうなっているかを考えるのことはやめるがいい。今日というこの日のことを考えるがいい。理屈はみんな、まずさしおいてしまうがいい。いいかい、みんなだよ。美徳のことを論じる理屈さえもみんなよくないよ。ばかげているよ。悪い結果をもってくるよ。人生に無理な力を加えてはいけないよ。今日を生きることだよ。その日その日にたいして敬虔でおあり。その日その日を愛して尊敬して、なによりもその日その日を凋ませないないことだよ。その日その日が花咲くのをじゃましないことだよ。今日みたいな灰いろのくもり日でも、それでも愛すがいい。くよくよしてはいけあいよ。ごらん。いまは冬だ。何もかも眠っている。親切な大地はやがてまた目をさますだろう。自分もまた一つの親切な大地であるがいい。そして大地らしく辛抱づよくあるがいい。敬虔でおあり、辛抱づよく待たなければいけないよ。おまえが善くないなら、弱いなら、おまえが成功しないなら――いや、それでもやっぱりそれなりに幸福でなければならないのだ。そのときにはおまえはそれ以上どうにもならない。それならそれ以上意志してもしかたがあるまい。できないことのためにくよくよして心をくもらしたって何になるものか。人間は、自分にできるだけのことをしなければならないのだ……Als ich Kann(私にできるだけのことを)」