山咲雛子の日記

毎日何かを好き☆と感じ、感謝して、頑張っています。時間が沢山あったら、ゆっくり自然の中で過ごしたいです♪旅もしたいな♪

蕎麦屋の思い出

2009年03月04日 | 蕎麦
十数年前にもなりますが、あるイベントで山形の鯉屋さんと知り合い、山形で一番お気に入りの蕎麦屋さんを教えてもらいました。
「山の中の蕎麦街道にあり、普通の民家にお邪魔する感覚なので始めは驚くけど、その蕎麦は打ちたてで絶品だよ」

案の上、随分山の中にその店はありました。
暖簾がなければ、通りすぎていたでしょう。

玄関を上がらせてもらい、蕎麦を註文すると、地元で採れた山菜や煮物やお漬物などのもてなしを受けました。
特に蕨は素晴らしい美味しさです。
そうして目の前のおかずを食べている間に、おかみさんが蕎麦を打ちます。
蕎麦が来る頃には、だいぶお腹がいっぱいになってしまいましたが、打ちたての蕎麦は絶品としか言いようがなく、山の澄んだ空気と美味しい山の幸でお腹も心も満たされ、とても幸せな気持ちになりました。

「あの蕎麦が食べたい」
すっかり蕎麦と山の幸の魅力にとりつかれた私は、毎月のように蕎麦屋通いが始まります。

その蕎麦屋の素晴らしさは、季節の移ろいと共に山のおかずが変わることです。
春になれば、木の芽の天婦羅や蕨、こごみや様々な山菜。秋にはキノコなど・・・
自家畑から採れた蕎麦から挽く、新蕎麦は最高でした。

そんな日が2年ほど続きました。
他の蕎麦屋など目をくれずに、浮気したのはたった一件だけ。
週末は親戚の家に行くような感覚で、蕎麦屋を訪れたのでした。

横浜に引っ越さなければならなくなった後も、連休を狙っては山形通い。
蕎麦の打ち手がおばあさんからお嫁さんに徐々にかわっていったのもその頃からでした。

今となっては、幸せな思い出です。
あの時の蕎麦。
ホワイトアウトの道をこわごわ辿り着き食べた、キンと冷たい蕎麦の味…

それが、私の蕎麦の原点です。