毎年この界隈を通りがかりに、気になっていた温泉があります。
今度こそ、玉川温泉の帰りに立ち寄り湯しようと思い、調べてみると・・・
どうやら2006年か2007年に廃業してしまったようです。
どうして今までその横を何度も通っていたのに気がつかなかったのか、不思議なくらいです。
実際、車を降りてみると、旅館へは川を渡らなければならず、その橋も今では撤去されていました。
本当に廃業してしまったのか好奇心が疼き、確認してみたくなりました。
川は浅瀬になっており、大きめの飛び石が散在しており、対岸へ渡るのは意外と簡単でした。
ここは、どうやら浴場の入口のようです。
扉も破壊されていますが、暖簾がかかったままで、脱衣所には忘れ物の携帯シャンプーなどがそのまま残っていました。
その光景が、つい先ほどまで立ち寄り湯できたような生々しさで、どうして廃業してしまったのか、まさに不思議です。
よくよく見ると、男性の脱衣所内には泥水が入ったらしく、床一面にパリパリに干上がって亀裂が入った泥が広がっていました。
内湯のはずの男湯は、屋根が完全に落ちてしまい、浴槽に瓦礫が覆いかぶさっていました。
2013年8月13日の岩手県花巻市・矢巾町・雫石町付近豪雨により、人知れずこの旅館にも土砂が流出し、建物一部崩壊など現災害にあっていたのでしょうか?
旅館内湯の裏手にまわると、旅館裏手にも河川が・・・
川と川がふたつに分かれる中州のような場所に、この旅館は位置していたということでしょう。
源泉が自然湧出で川に流出していました。
硫黄の香りと塩分を含み湯花が舞う、素晴らしい温泉ではありませんか!
しかしながら、湯に触れるには、熱すぎて強い覚悟が必要です!
タオルに湯を含ませるものの、絞るためには少し冷ましてから・・・
いい温泉の香りです~。
蒸しタオルにすると、肌も生き返る~♪
効能も良い温泉だと思います。
でもどうしてか、この旅館の廃業の詳細はネットでも書き込みがありませんでした。
こんな素晴らしい源泉ですし、もしも仮に露天風呂があったなら、川と山を見渡せる開放的なロケーションの露天風呂になるはずです。
温泉好きとしては、本当に惜しい温泉です。
けれど有名な玉川温泉も近く、そういう意味ではスルーされてしまったかもしれません。
川の中州にある国有林であるからこそ、自然災害に直面してきた旅館かも知れません。
秋田の相乗温泉や志張元湯温泉も、さまざまな形で何とかリニューアルしています。
希少な源泉が、絶えずこの時にもコンコンと沸き出でて続け、この繰り返しが人知れず脈々と行われているのは、大変勿体ないことです。
そんな思いを温泉に興味のある皆様にお伝えしたく、この話題を書かせて頂きました。
どんなかたちであれ、この源泉の再開を願うところです。