臨済宗妙心寺大本山から世界文化遺産となっている龍安寺(りょうあんじ)を歩いてみました。
龍安寺は臨済宗妙心寺派の寺院で、山号は大雲山と号していますが、妙心寺との関係が深く、山内塔頭と同様の扱いを受けているそうです。
ことに石庭が有名。
ご本尊は釈迦如来さま。
開基(創建者)は細川勝元、開山(初代住職)は義天玄承。
3月のその日は、青空の下にまるで墨絵で描いたような、木々が息を潜めているかのような、静寂感が漂う景色でした。
桜でも咲いたなら、風景は一変するのでしょうね。
新コロナウィルスの影響で、不思議なくらい観光客が少なかったです。
一日でも早く終息しますように。
石庭で有名な庭園の拝観は500円。
襖絵を見ながら庭園へ。
海外のお客様たちが多く、真剣に庭園を眺めていました。
んん~、私には感動の気持ちは起こってこない。
よくわかりませんでした、この石庭の素晴らしさが。
石庭は、幅 25 m奥行 10 mほどの空間に白砂を敷き詰め、東から5個、2個、3個、2個、3個の合わせて15の大小の石を配置。
これらの石は3種類に大別できるそうです。
各所にある比較的大きな4石はチャートと呼ばれる龍安寺裏山から西山一帯に多い山石の地石。
塀ぎわの細長い石他2石は京都府丹波あたりの山石。
その他の9石は三波川変成帯で見られる緑色片岩。
この庭は石の配置から「虎の子渡しの庭」や「七五三の庭」の別称があるそうです。
またどの位置から眺めても必ずどこかの1つの石が見えないように配置されていることや、これらの石は全て戦国武将の織田信定が運んだことでも有名なのだそうです。
どこから鑑賞しても庭石が14個までしか見えないようになっているのは、ある石に別の石が重なるよう設計されているためで、日本庭園における「重なり志向」を表したものともいわれているそうです。
さて、このお寺のご朱印をいただきましたが、とても変わったご朱印でした。
本来ご朱印の真ん中にくるのがご本尊さまなのですが、そこには「石庭」と記されていました。
ご本尊さまより、石庭のほうがこのお寺にとっては重要ということでしょうか?
観光客にとっては、その表記のほうが思い出しやすいのかもしれませんが、私としてはご朱印のありがたさを感じることができませんでした。
ご朱印の見本が掲示してあったら、私は頂かなかったと思います。
帰り道、こんな景色のほうが私は好きだなぁ、と思いました。
苔と木々の静かな息遣いを感じる大地に、光が命を繋いでいる感じ。
木々の芽吹きの頃は、まったく違う景色になるのだろうと思います。
訪れるものの心に四季が投影され、自分自身に反映される喜怒哀楽の分かりやすさが、京都の魅力だと感じました。
傍には、龍安寺名物の湯とうふ店「七くさ」がありました。
ゆったり時間を過ごしたい方には、石庭の庭園とお散歩と湯豆腐をセットでいかがでしょうか。