舟を編む
三浦しをん
光文社
何十年にもわたり辞書出版に人生を掛けた人達の物語り。
地味で固そうで読もうかどうしようか迷った本でした(フフ)
辞書編集に携わった人達の存在など考えたこともなかったけれど、軽く想像しただけでも気の遠くなりそうな作業…
大海原へ漕ぎ出す舟が勇気をたたえた辞書であり得るために情熱を傾けた人達。
最近は直ぐにPC検索できるので、とんと手にすることが無くなってしまった国語辞典の編集者一覧ページはどうなっていたのだろう。
そして、紙質は?
今でも時々お世話になっているのは音楽事典。
開いたことのなかった最初のほうを見てみると、あらま沢山のお名前、編集顧問、執筆者、編集者が100名以上も!
辞書編集部の光景が蘇り、今さらながら結構感激!
大事にしなきゃ。
とうとう出版に漕ぎ着けた辞書「大渡海」の装丁のくだりが想像に容易いと思ったら、この「舟を編む」に使われていた…小粋。
時代と共に消えゆく言葉と生み出される言葉、意味合いも変化していく。
言葉は生き物だから、出版出来たことを着地点にすることなく、直ぐに改訂版へと向かう姿勢が素晴らしい。