1954年
チームを結成したばかりのグリーンズはよくやったが、保手浜の二塁打一本ではどうしようもない。神崎、梶原両捕手が弱肩で6盗塁を許したのも痛く、まずここを補強しなければなるまい。その捕手の弱さがスライダーとシュートに切れ味をみせ、二十人の打者から8三振を奪った望月の好投を割引いていた。望月を先発させていたらもっといい試合をやったろう。阪神は広島の先発木村の立上りを攻め2四球、3盗塁、1安打で2点。四回は二塁打の横山をおいて河津が中堅スタンドへ2点ホーマーした。このとき打球が案外のびたので広島の江原は低いフェンスからモロにスタンドに落ち、唇と左膝を痛め横浜十全病院に収容された。広島の四回の一点は阪神の先発高木の乱れと捕手の一塁牽制悪投があったとき、保手浜がたった一本の二塁打を放っていれたもの。