1988年
フルハウスといえば、今やすっかり小野の特権? 守る方はしんどいがその分、バッターもジレる。バッターをジラせて打ちとる。フルハウス第二号が川畑だ。真骨頂は、5月8日の巨人戦(東京ドーム)。7回まで7安打を浴びた。だが、1点も与えない。四死球2。打者27人に対し、カウント1-3、2-3となったケースはのべ10人を数えた。終盤、郭の救援を仰いだものの、先発4試合目で初勝利。フルハウス№2となった川畑は、この先、同じフルハウス投法で勝ち星を伸ばすと誰もが思った。「ボクだって、そのつもりだったんですよ」苦笑する理由は、せっかくかけてくれた星野監督の期待にそうことができなかったからだ。しかし、わかっている。快速球のない川畑。シュートでバッターの上体を起こし、スライダーで凡打に仕留める。そう、打者をジラしジラしながらのフルハウス投法に活路を見い出すしかないのだ。「課題は制球力です」と、ちゃんと自分を知っていることも川畑の大きな強みだ。