1959年
かねてからプロ入りがウワサされていた、徳島商高の大坂雅彦選手(17)は、パ・リーグの近鉄へ入団が決定した。二十三日午前十一時から徳島市昭和町七丁目同選手宅で、来徳中の近鉄球団の加藤春雄技術顧問立会いのもとに正式契約調印した。昨年夏甲子園で準優勝した徳島商高遊撃手。主力打者として板東投手(現中日)こんど阪急入りした広野外野手らとともに活躍、昨年秋からはその強肩を買われてマウンドにのぼっていたが、投手としてよりむしろその無類の強肩と強打は、将来大型の外野手として期待が大きく、プロ野球では近鉄を始め阪急など、また社会人野球からも数多く勧誘されていたが、去る九月中旬松下電器入社が内定した。ところがその後家庭の事情でプロ入りにふみきり、松下電器とも円満に話し合いができて、徳島出身の林義一代理監督の説得から近鉄へ入団が決まったもの。身長1㍍80、体重74㌔、右投右打。
大坂選手の話 松下電器に入社するつもりでいたが、家庭の事情でプロ入りすることにしました。近鉄には先輩も多いし、板東(鳴門高)ら地元から一緒に入団するので、みんなに負けないよう一生懸命努力してがんばります。
加藤技術顧問の話 攻守にスケールが大きく非常に素質がよいので、本人の努力次第では将来ウチの主軸になる選手だと思う。監督の千葉さんをはじめ林代理監督、平井コーチら徳島出身の先輩がいるので、大坂君も心強いだろう。