1982年 エース後藤は右の本格派で直球の威力は相当なもの。制球力もまずまずで、何よりカーブ、速球のコンビネーションがいい。大量点は許さないだろう。
「県内に増田という野球チームがあることを知ってもらえれば十分です」-本荘を3-2で下し、秋田商を最後まで苦しめた立役者の増田・後藤明美投手。目を真っ赤にしながら悪びれずに試合を振り返った。「きょう(秋田商戦)はストレートが走っていた。しかし、後半になって球威が衰えたところをねらわれてしまった。でも、悔いはありません」185㌢、85㌔。長身から投げおろす直球は威力があった。下半身の鍛錬のため通学の道のり(四㌔)を砂袋を背負って走った努力家だ。「がんばった」「いい試合だった」詰めかけたスタンドのファンから引き揚げる増田ナインに大きな声援と拍手がわいた。「結果はどうあれ、全力を出した」というナインの顔はさわやかだった。