徒然留学日記

30にしてドイツ留学を思い立ち、その後結婚。日々経験したこと、感じたことをつづっています

Ph.Dディフェンス2件

2010-04-06 00:02:26 | Weblog
もうずいぶん前に研究室を離れたPh.Dの学生2人のディフェンスがあった。1人目は、とても順調に論文を書き上げ、ちょうど3年で研究室を離れ、ドイツの他の街でポスドクをしている、『趣味はサイエンス』というオーストリア人

ディフェンス開始45分前に普段の格好をしている彼を見かけたので、『スーツ着ないの?』と声をかけた。

あと45分もあるんだ。あとで着替えるよ

と言い、たばこを吸いに消えた。余裕だ、この人…

プレゼンと質疑応答が行われた後、採点者を室内に残し、残りは全員退出する。私はPh.Dを取ったことがないので本当かどうか分からないけれど、

ドイツとフランスでのみ、Ph.Dに点数がつく

と、同僚は言う。他の国は、合格か不合格か、だけだけれど、ドイツの場合、1.0が優、2.0が良、3.0が可となり、ドイツでポジションを探す場合は2以上が暗に要求される。

このオーストリア人は

1.0を取った

素晴らしい。確かに、彼に関してはどの人からの評価も高かった。


2人目は、このオーストリア人よりも先に論文を提出したけれど、ディフェンスは後回しになってしまったドイツ人。どうやら、

秘書さんが教授に論文を渡し忘れていた

らしい。おかげで彼は、研究室を離れてフランスでポスドクをしていた約1年半の間、

給料半額

だった(Ph.D未取得のため)。彼の責任ではないのに…
この彼からではなかったけれど、先日私がいただいたアドバイスは、

論文提出してからも、状況が許すなら、ディフェンスまで研究室に残ったほうが早くPh.Dを取れるよ

というものだった…

彼の評価は1.5。五捨六入のシステムらしく、証明書に記載される評価は

1

となるらしい。『ラッキーだ』と喜んでいた。

オーストリア人のディフェンスは週の半ばだったけれど、元・同僚がパーティの場所を提供してくれ、グリルパーティをした。久々に元・同僚たちが集まり、とても楽しかった。

これで、2007年の大きなプロジェクトに参加したPh.Dの学生全員が無事、Ph.Dを取得し、今月末までに全員がこの研究室から羽ばたいていく。