イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

硝子とダイヤモンド

2007-04-17 20:42:43 | アート・文化

『暖流』第2話は、アメリカ留学仕込みのユートピア的地域医療論を一席ぶつ啓子/裏でリベート取ってるコソ泥事務長に帳簿出させて院長室で負債洗い出しをする日疋/のカットバックで、キャラと立ち位置を際立たせるなど、結構演出上の工夫がありました。

それにしても啓子=さとうやすえさんの、何か言い始めるたびに首に角度つけて切り出し、フレーズごとにクリクリ斜め左右に振る演技はちょっとどうにかしてほしいな。16世紀イタリア・マニエリスムの画家パルミジアニーノ『長い首の聖母』並みのプロポーションなので、言ってる内容以上にウルサく感じられ、つい「少し黙ってろ!」って言いたくなっちゃいます。

対して吟花=小西美帆さんは、小さな輪郭の顔に小さめの目、感情表現においては不利な容貌なのに、細かな情感の表出が上手ですね。志摩家での啓子帰国祝いの手土産にケーキを買って行こうとして、結局いちばん安いシュークリームを選び、手渡した志摩夫人が無造作に置いたテーブルにもっと高価そうなホールサイズのケーキがあるのを見て軽くショボン…の場面は吟花のキャラがよく表れていました。吟花の父は理想家肌の町医者だったのに、新築した診療所の経営に失敗し妻子を残して自殺したんですね。ここまでのところ、視聴者の大半が吟花に肩入れしてるんじゃないかな。

志摩院長(近藤正臣さん)はすでに健康がすぐれない様子。自分の先短いのを悟って日疋を招き、啓子と次男・泰則(村杉蝉之介さん)の身が立ち行くように病院再建を望んでいるのでしょうか。10年以上前の東海昼ドラ『炎の旅路』の山口崇さんを思い出します。昼ドラの“院長先生”キャラって、悪辣やゴウツク張りでなければ、なぜか短命なことが多ような気がします。近藤さんには最終話まで出て欲しいのですが。

キャストクレジットにかつての松竹大船の清純派スター・雪代敬子さんのお名前があるなと思ったら、1話で空港で倒れ啓子に蘇生処置ほどこされる洋装の老婦人だった様子。

そう言えばナレーター・三島ゆり子さんも雪代さんよりちょっと後の、こちらは東映京都撮影所の時代劇で活躍したお姫さま女優。先般NHK朝ドラ『芋たこなんきん』ではすっかり貫禄なお姿で健在アピールされていましたね“昭和映画テイスト”がこのドラマの浮沈を握っているかもしれません。

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