かれこれもう、まる一年三か月近く経つのだから早いものだと思う。昨年の初め、片づけを手伝っていた各種学校の図書コーナーの中に、ひときわ判型が大きく異彩を放っていたムック本があり、パラパラめくってみると厚紙の綴じ込みが。開いてみるとおお!高校時代にはまっていた、懐かしい萩尾望都さんの漫画の絵柄です。オールカラー。
よく見ると、コマ割りが点線になっている??と思ったらマンガではなく、点線で切り取って使うタロットカードでした。全22枚、1:魔術師The Magician、2:女教皇The High Priestess・・・ときて、21:世界The Worldでいったん完結、0:愚者The Foolに戻る“大(メジャー)アルカナ”の22コマ、いや22絵柄。
その時点では、“タロットカード=占いに使うらしい絵カード”とだけしか、知識がほぼありませんでした。
15:悪魔The Devilの鎖につながれたプチ悪魔ちゃんがかわいい!てか悪魔本人(本人って)もイケメンだ!
・・図書室に放置されてたわりには汚れてなくて、誰ぞが切り取ろうとした痕跡もなく、シワや折り目もなくパリッとしてます。コレ、本を処分するときにここだけカットして頂戴するわけにいかないかな?ってかこの本そもそもナニよ?と、ブックカバーをはずして改めて見ると、『ユリイカ 詩と批評 12月臨時増刊号 ~総特集 タロットの世界~』。これまた懐かしや、70年代末から80年代前半、生協でよく立ち読みした『ユリイカ』!青土社!このご時世に、休刊してなかっただけでもやれ嬉しやの驚きです。
“鏡リュウジ 責任編集”だって。ネットの占いサイト、占いがらみサイトで、作りつけの様にお名前を拝見する鏡リュウジ氏。それにしても字の小さいこと、でも図版も多いこと。
よくよく図版群に注目すると、学生時代さんざん見せられたヨーロッパ中世の“なんちゃら公爵の時祷書・限定私家版”みたいな、宗教画のような、身内の肖像画のような、ノーブルな中にもちょっとアットホームで土臭い独特の絵柄なんですね。
なるほど、こういうのが“タロット”のプロトタイプで、萩尾望都さん作画のこのカラー綴じ込みは、プロトタイプを萩尾さん流に料理してビジュアル化したものなのね、とつながってきました。
これが月河と、タロットカードとの出会い。昨年の、当地は寒冷地のため学校の冬休みが長いですから、正月の松が明けた翌日か翌週ぐらい、“あと数日で生徒さんたちが登校してくる”タイミングだったと思います。
(この話続く)
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