イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

バッカ野郎コノ野郎

2007-12-08 19:42:52 | アート・文化

『爆笑オンエアバトル』1272410~)は期せずしてプチ“魚シリーズ”になりました。

まずは、“誰も知らないものまねシリーズ”のくじら。「バスプロスターシリーズから、ナミキトシナリ!」「フナ釣りスターシリーズから“釣れたんじゃない釣ったんだ”ヒラマツケイ!」「…いまのはヒラマツケイと言うよりも、キタムラヒデユキでしたね」など、元ネタっぽく言及される固有名詞がいきなり誰も知らないだけじゃなく、「“ヘラブナ”ったら“漫遊記”だろっ…“ヘラブナギャラリー”と混ざっちゃったか?ソレ俺ちょっと悪かったわ」など、当たり前のように引き合いに出す番組名まで誰も知らないという。

唐突な連想ですが、『やっとかめ探偵団』でおなじみ清水義範さんの一連のパロディシリーズを思い出しました“すでに確立されている誰か”のモノマネのつもりになり、“あからさまにモノマネ然”の枠にはめて書けば、逆に相当オリジナルなものが書けるってことは確かにあります。381kb4位は初挑戦としても、芸風的にもよく取った。とんねるず、特に木梨さんが「アイツオンバト受かっちったよ!」と大ウケしてくれてそう。

続いては幕開けから、ここまでやってオフエアだったら凹むだろうというオッサン人魚で登場チョップリン401kb3位。ヴィジュアルが突飛なわりには低テンションで進む持ち味は前回のトイレネタから一貫していて、だいぶ受け入れられてきた感がありますが、「パスタとか春巻きとか興味ある」で月河は爆笑したけど、満場笑いの渦ってわけにはいかないだろうなぁ。

「彼魚(カノギョ)はパターン逆や」「Gパンのスキニーよう似合うで」に「そのカノギョのお母さんぐらい、ルネ・マグリットの絵のモデルになってね?」とツッコミたくなりました。遠距離恋愛ならぬ遠洋恋愛、会ってもコミュニケーションとり辛そうだな。

三拍子457kb2位と安定していましたがちょっと今回は精彩を欠いた。ベタなシチュエーションにあこがれる→「キキー、ドン」「ガッ」のつかみがいつもより弱かった上に、「チャックをチェック」がはさまってますますぼやけてしまった。彼らぐらいのオンバトキャリアになれば、出てきただけで基礎点みたいなのはある程度取れるけど、ここへ来ての出来不出来の激しさ、チャンピオン大会への不安材料を露呈する結果となりました。

5357kbでなんと滑り込みオンエアのスマイルの面白さは月河には申し訳ないほどさっぱりわからない。拍手も出た『桜坂』のドンズバ「ウーイェイ」と、「キツネがコーラス入ってたのも気になるけど」でちょっと笑えたのみ。ウーイェイって、見れば見るほど目つきが、こういう動物キャラTにサロペット着るような、精神年齢不詳の天然キャラを演る目じゃないんだよなあ。ツッコミ瀬戸の地方ホスト風美形も、この手のキャラの猿回し役に向いてない。キャラ作らない普通のしゃべくりボケツッコミ漫才じゃダメな理由でもあるんだろうか。

神田愛花アナのネタ前紹介「どんどん“うーえぃ(=上)”を目指してね!」のほうが、むしろオンバト視聴者向きの笑いだったかも。

そんな中、癒し系漫才の風藤松原473kb1位取っちゃったのは嬉しいビックリでした。何がおもしろいって、風藤はともかく松原はかつての常連号泣のボケ似で全然癒しな顔じゃなく、むしろキモ系、もっと言えばオカマ顔なのに、癒し系として成立しているのが可笑しくて仕方がない。「そこまで用意して来てんならオレ止める権利ねぇわ、やったほうがいいよ」ですでに陥落でした。

途中コンビニ面接に入る前辺りから風藤が通常ののらりくらりから軽くテンション普通レベルまで上がったのもいいし、「アバンギャルドなおじいちゃん」「ヨネさん」「お賽銭」など、老人ネタも得意技として定着できそう。

それにしてもこの得点は、5番手・くじら以降4組低調が続いた果てにはじけた、ラストバッター効果でしょうね。「三人寄ってもジ・アルフィーになんないよ?」の後「どうすんのBコースになっちゃったら」「服三色要るよタイヘンだよ、オマエ何色になる気?」ぐらいは付けてもオンバト的にはうけたんじゃないかな。

今回、オンエア全組、オチとオチ前の盛り上がりがもうひとつだった。最近の若手、とみに“全篇の中でオチ直前がいちばん盛り上がる”という構成になるネタがなかなか見られない。スッと入ってボコッと終わるのが身上の、いわゆるシュール系は別として、それ以外の“正統派”の人たちでも、不思議にオチへの収斂が弱く、むしろオチ前に下がって、下がったまま「もういいよ」「いい加減にしろ」とオトす感じなのは、寄席やライブよりTVのネタ番組・コント番組を見て育った世代だからでしょうか。先日の『点と線』じゃないけれど、どうも笑いが点、点、また点で、流れるような右肩上がりの線を描かないのです。

やはり03年~04年のいわゆる“お笑いブーム”のおかげで、単発で耳に残る強烈ギャグ一本ひっさげ瞬間の笑いが取れれば勝ち、のような地合いで若手芸人を使い捨てしてきたツケが、“市場”にそろそろ回ってきているような気がする。M1とともに、オンバトチャンピオンシリーズもちょっといろんな意味で心配ではあります。

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