9日(木)深夜24:40~『爆笑オンエアバトル』を録画視聴。前回挑戦時オフエアだった東京03の巻き返しを期待。
レギュラー視聴しなくても、NHKの当該番組公式サイトで次回挑戦者の名前をチェックした上で、録画視聴するかしないか決める手もあるんですね。それもちょっと合目的的過ぎて淋しいものがあるけど。
その東京03、477kbで1位、一応リベンジ成ったとみていいでしょう。飯塚視点に立てば実にもうイラつく、腹立たしいシチュエーションをものの見事に笑える仕立てに塗り替えるワザは彼らの十八番。“イライラ”と“可笑しさ”は紙一重の世界なんだなと改めて実感します。実生活にもこの信条、大切ですね。そこのイライラ抱えてるアナタもね。
“彼女欲しい友人のために女友達との出会いをアシスト”が“むしろ邪魔”→“くっきり邪魔”→“当て馬になってた”とどんどんウザ不快度がアップしていく組み立てもさることながら、彼らのこのネタで一番の決め手は、いつもながらの豊本の“手抜き女装”。
男性としては細おもてではあるけどシワっぽい色黒の眼鏡リーマン風が、スカートはいてちょっとシナっぽくしてるだけでビタ一文女らしくないこのヴィジュアルを“彼女にしてもいいかなと思えるレベルの容姿の、若い女性”という前提で見る。そこを騙し騙され得たら、あとは相当無茶な、無理やりな展開でも客は乗ってくれるのです。小説でも演劇でも映画・ドラマでも、冒頭一発顔面ビンタ食らわして草むらに押し倒す級のデカい嘘を決めさえすれば、あとに続く小さい嘘の小さい不整合、小さい不手際には目をつぶってくれる。
彼らのコントは毎度この“冒頭一発”のキレがいいのです。特に今回のネタはビンタ食らわしても“無音”。
比較して悪いけどトリオつながりで、フラミンゴ2位429kbは字ヅラ以上に東京03とは差がある。海→山→遊園地、普通→釣りキチ→ズレてる、ズレ→ズレ→合い過ぎ、と三段階三段構えの構成できれいにまとまっていると言えなくもないけど、可笑しさが衣装や持ち道具のパッと見インパクトに寄っかかり気味で、紙芝居というか、観光地にある戦国武将や桃太郎の丸窓顔出しパネルと同工の“平面的”な笑いにとどまった。
本人たちが番組冒頭の収録入り前トークで「今日のネタはどっちに転ぶかわからない」と言っていたように、ストーリー性なしの平面展開でどうか?というお試し意識があったのかも。確かに通算6勝の中に、おもしろいんだけどいまいち読解のパラダイムを掴むまでが難儀なネタもありました。一長一短あるけど、月河は今回よりはもう少し奥行きのあるネタが見たいかな。
関西から挑戦のつばさ・きよしがオーソドックスな上方風味の漫才(“純”上方ではないところも重要)で421kbの4位、意外に新鮮でした。「ツーフィンガー」「自信ありますから」の浣腸ポーズの関西的お下品さもこの時間帯なら結構オッケー感がある。2年ぶり挑戦で、特にホーム・チーム桧山似のツッコミきよしのほうが緊張気味だったことで、かえってスレてなくフレッシュな感じにつながった。
つばさの光り頭「ハイ消えた!」で最初パラパラッと、やがて揃って拍手が湧いたところはオンバト観客ならばこその温かみ、挑戦者の良いパフォを少しでも引き出そうとする好意的な風向きが感じられましたね。民放のネタ番組での、仕込み観客が発する殊更なワッハハ笑いとは真逆。今回の彼らも、この拍手以降ぐんと調子が出ていた。
ヒカリゴケは明らかに噛んだり台詞早飛びしたり(ツッコミ国沢の「ちゃんと手伝って」)した分玉数は393kbで5位と伸びませんでしたが、持ち味は出ていたし彼らのリズムで演れていたと思う。最後のカレーのオチはロンドンブーツ1号2号の“ぷらち鍋”を思い出しましたね。スイーツ系入れると凄いことになるからね。
井上マーは期待したんだけど問題含みだった。まず冒頭の「コント、わけのわからない台本渡された~」という自己申告ネタ紹介が要らない。普通に台詞から入っても“声優さんのアテレコネタだな”とじゅうぶんわかる構成になっていたし。
クロージングが「オッケーお疲れ、二度と来ねぇ!」で締めるってのも客席・視聴者に与える印象としてどうなのかなと。全体的に、力量のわりに“オンバト特有の空気や地合いを肌でわかってない”ことで損している。それでも425kb、3位とマーマー確保するところはさすがですが。「こんだけデキますから、声優アテレコの仕事下さい」という営業アピールのようにも聞こえた。おもしろかったけどね。
先日の『キングオブコント2008』でもいまひとつ精彩なかったTHE GEESEのオフエアがやや気がかり。高佐がだいぶ痩せたようだし、コンビ的にバイオリズム谷間期なのかな。好きな芸風なので、ここからもうワンパンチ、ワンジャンプアップ繰り出して巻き返してほしいものですが。